Androidというプラットフォームは存在しない

2013-03-21 06:47

もう何度目かよくわからんが、書いておく。

「Androidはプラットフォームではなく、OSだ」

というわけでApple原理主義者の目には最近いくつかの記事が目にとまる。

Android の最大の成長マーケットは、アマゾンの Kindle Fire と中国のマーケットのものだ。Kindle Fire は Android の枝分かれしたバージョンを使い、開発にはアマゾンの SDK が必須で、アマゾン専用の App Store を使わねばならない。中国の Android デバイスの 90% は Goolge Play Store を使用せず、代わりに1ダース以上の中国のサービスプロバイダーの App Store と結びついている。

via: 果たして Android タブレットは 2013 年には iPad を追い抜くか? | maclalala2

Amazonが出しているタブレットは、確かにAndroidをベースにしているが、Android上でGoogleが出しているサービスを使えるわけではないし、App Storeも別。中国にあまた存在するあやしげな中華デバイスも同様だ。

であれば、それらのシェアを合算して「Androidが圧倒的」などというのは馬鹿げている。それならiTronはとっくの昔に世界を制覇しているはずだ。

グーグルは招待されていなかった。Android について触れたのは全部を振り返ってもたったの1回だけだった。前から分かっていたが、サムスンは Android ブランドを Galaxy ブランドに置き換えようと望んでいるのだ。

via: グーグルはどこまでアンドロイドを支配しているか | maclalala2

そして携帯電話で利益をあげている2社のうち、一社はAndroidではなくGalaxyがプラットフォームだと主張している。

私が言いたいのは、「ホンモノの」Androidを利用している人が実際にはほとんどいない、ということ。ホンモノをつかっている人の割合は2%以下ではないかと私は思っている。

via: Android OSの威信を保つためにグーグルがすべきこと « WIRED.jp

というわけでこうした主張もでてくるわけだ。オープンプラットフォームバンザイとか言っているうちにAndroidは混沌とした空間になりつつある。それはPC用のOSと同じような状況かもしれないが、携帯情報端末は個々人とより密接に結びついているだけに始末が悪い。どこにいるか、何をみているかを全て監視するマルウェアがあたえるダメージはPC向けのそれの比ではない。

というわけで、真実は(これは何かの記事で読んだことだが、今その記事をみつけられない)

Androidは誰にもコントロールできなくなっている

ということではなかろうか。Googleだろうが、Amazonだろうが彼らにできるのは「自分が開発した端末の上での自分が開発したOSのコントロールが可能」ということだけなのだ。

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とかなんとかいっても、Androidのシェアとかアプリ数は順調に伸びている。それを横目でみながら悔しがっていると思われるのがMicrosoftである。

THE VERGEは20日(現地時間)、米マイクロソフトが開発者に対して、アプリ1本公開するごとに100ドルの報酬を与えるキャンペーンを開始したと伝えています。

via: 米マイクロソフト、最終手段へ...アプリ1本公開ごとに100ドルの報酬配布 | ガジェット速報

というわけで、最終手段だ。楽天レシピとやっていることは同じ。「コンテンツを作ってくれれば、金を払います」というやつ。過去にこうした試みが成功したことがない(と私は思っている)のを100も承知の上でやらざるを得ないほど追い込まれているのか、あるいは何も考えていないのか。

IDCはうれしいことを言ってくれるが、本当の状況はどうなんだろうね。