Apple危うし!

2013-04-10 06:36

最近下火になったが、一時「Apple危うし!」という報道がたくさんでてきた。

IIcxからの古参Apple原理主義者にとっては「危ういねえ」くらいの気楽さで聞き流せる内容。ここぞとばかり「そらみたことか。やっぱり」と鼻息あらく文章を書く人を微笑ましく感じている。たとえばこの記事についている「ブックマークコメント」はなかなか楽しい。

Phoneが衰退したんじゃなくてAndroid端末が成長したが正解 / Appleって相変わらず圧倒的なブランド力があるし、品質もそこそこ保証されてる上にデザインも良いから何を選べば分からないルーキーには打ってつけっしょ。

via: はてなブックマーク - 携帯売り場の者ですが、iPhoneが本格的にヤバいです

こうした記事の「信ぴょう性」については、以下の記事を引用するだけで十分だ。

本稿でははからずも、アップルのシェア、売上げを小さく見積もりすぎている、という論調での記事展開になったが、アップル擁護を意図しているわけではない。しかし、市場の実態とかけ離れた数字を元にした議論が多くを占めているようでは、市場動向を大きく見誤る。iPhone5減産のニュースでは、アップルの株価が下げ基調の中、さらに下げ圧力を強めるための情報操作ではないか、との疑いの声まで上がっていた。

via: iPhone、iPadが売れてない?アップル製品沈没、不思議報道のメカニズム(本田 雅一) - 個人 - Yahoo!ニュース

こういう「報道の洪水」には裏側に何かの意図があると思って間違いないだろう。もちろん私のようなApple原理主義者と同じ数だけ(もっと多いか?)アンチアップルという人も存在するから、その人達がお祭りをしている、という可能性もあるがお祭りの元はなんなのか。



「~したようだ」「~見通し」といった言葉づかいで一体誰がそういう意向を表明しているのか不明なまま、「iPhone」という単語を見出しに使い、今夏には導入かという論旨の記事を掲載するなど、1紙だけならともかく、大手新聞2紙がほぼ同じタイミングでとなると、これはなかなか偶然では起こりえないと思われます。なにがしかの力が動いての観測気球打ち上げという感じでしょうか。空中戦といっても限度があります。関係各所の皆さんは色々と大変そうで、おつかれさまです。


via: 今年のドコモに熱い夏はやってくるのか(山本 一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

多分ここらへんが「正しい」ところではなかろうかな。つまり(日本国内で)天下のDocomo様内部でiPhone扱う派とiPhone扱わない派がそれぞれの武器を使って「皇軍相撃」をやっていると。DocomoがApple扱う論は、どちらが出したのだろうか。リークすることで交渉を妨害するiPhone扱わない派か、逆にiPhone扱う派が世論の反応を見ているのか。

Apple危うし論の出処を考えているうちに、ある仮説にたどり着いた。(もちろん素直な推測は「iPhone扱わない派が"あんなもん売れませんよ"といいたいがため」であるが。)


DocomoはiPhoneを扱わざるをえないことを理解している。しかしお公家様たるDocomoがAppleなどという夷狄の賤民に頭を下げることなどありえない。

であるからして

「Appleもだいぶ苦戦して在庫を抱えているそうだ。やっぱりわらわが扱わぬと日本では成功せんかな?泣きながら頭を下げてきて哀れでのう。しかたないから我が社でも売ってやるでおじゃる」

といいわけするための材料ではなかろうかな。もちろんこれは現実とは何の関係もないのだが、「メンツを保つ」というのは概ねそうした行為である。

良くも悪くも、リーダーの出現と命令系統の一本化というのはここまで大事なことなのだなあと改めて分かる事件となってしまいました。市場がある程度ゆっくりと流れている時代であれば、半国営でも問題なかったのかもしれませんが、ここまで海外市場との技術、市場、製品のクロスが発生し始めると、ビジネスモデルの再構築も含めて真の意味での組織力が試される、ということなのかもしれません。

via: 今年のドコモに熱い夏はやってくるのか(山本 一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

思い返せば、Jobs復帰前のAppleもあらゆる情報が駄々漏れだったなあ。あれは社内でのいろいろな争いを反映したものだったんだろうか。

少し長い目でみて、Docomoがパンナム(もう若い人はこの言葉知らないでしょ)のような運命を辿るのか、あるいはKDDIのように復活するのか。野次馬としては興味深く見守っていよう。