矛盾

2013-04-18 06:43

一昔まえの映画では

・良い役が悪役の秘密をあばく写真、書類、テープなどを手に入れる。
・悪役がそれを取り返そうとする。
・どんぱち

というのがあったように思う。しかし今やインターネットでどこでも情報が転送できる。だから悪役が多大な犠牲を払い、フロッピー(今の若いものは知らんだろう)を取り返したところで、中身はどっか別のところに。私が知る限り、一番速い適用例はミッションインポッシブル(トム・クルーズのやつね)だったか。アップロードに時間がかかり、トンネルにはいると途切れる、というのをうまく使っていた。

ところが最近は回線も早くなったしトンネルの中でもつながったりする。さらに、悪事を暴くきになればインターネットにアップロードし、2chにリンクでも投稿すればよい。それでこの世の中から消すことは事実上不可能になる。

これをうまく使えば「今の会話を聞いたな。生かしちゃおけねえ」というのを無くせるのではないかと思うのだ。スマホでボタンをおした瞬間から、ずっと録音し、ネット上にアップロード。これで殺しても無意味どころか罪を重ねることになる。というかiPhone で撮影すれば、その写真は即座にiCloudにアップロード。というわけで、iPhoneを奪い、破壊したところで証拠は既に保全されてしまった、、というわけだ。

なぜ突然こんなことを言い出したかといえば、このニュースをみたから。

あれ、元記事のリンクがどこかに行ってしまった。まあいいや。内容はこう。つまり今回の爆破事件では、ものすごい数のカメラがものすごい数の写真、ビデオを撮影していた。それを解析することにより、犯人に辿り着けるのではないかという話だ。たとえば今JFKが暗殺されたとしたら、それを撮影したビデオの数は数えきれないほどになるのではないか。

マンションやアパートでの事件を防ぐ、あるいは解決しようとすれば監視カメラが一番効果があることが共通の認識になってきていると思う。(不幸な事件がいくつかそれで解決されたことは記憶に残っている)今回の事件では、間違いなく犯人(もしくは関係者)がスタート後から爆発までの時間の間に現場を訪れている。その姿が幾千枚とられた写真の中に一枚も写っていないとは考えづらい。

もちろん偽物やらいたずらやらも山ほどくるだろう。しかしこうしたCloud surveilance cameraはとても強力な武器になるのではなかろうか。

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というのが盾のほう。しかし話はそこでは止まらない。

尖閣諸島をめぐる日中の衝突で、ビデオが公開された。それをみんなが信用したのは、CGやトリックを用いて撮影したように見えなかったからだ。しかしこの垣根はいつまで持ってくれるのだろう。

こう考えてみよう。ウォーターゲート事件の録音内容を誰かが匿名でインターネットに(もちろん当時インターネットはなかったが)投稿したとする。果たしてその内容を信じることはできるだろうか?

あの極めて不鮮明な録音は簡単に偽造できるような気がする。おそらく「偽造派」と「本物派」の果てしない論争の中でどこかに埋もれてしまうのではなかろうか。

というわけで矛の方も強力になりつつある。今のところ盾のほうが少し強力な気がするが。