メディアに対するには

2013-05-13 06:44

マスゴミとかなんとか言うのもいいが、やはり誰かが調べてまとめてくれる、というのはありがたい。

というわけで問題は「どこの誰が言った話か」ということを考えるべきだ、というのがここ10年くらいで気がついたこと。学校でもこういうこと教えるといいと思うんだけどね。最近はニューヨークタイムスに何が載ろうと気にしなくなったし。

たとえば少し前にこんな記事があった。

米アップルはアジアを中心に最大28億件に上るスマートフォン(多機能携帯電話)の新規契約獲得のチャンスを逃しつつある。

via: 米アップル、iPhone新規顧客の獲得機会逃す (Bloomberg) - Yahoo!ニュース BUSINESS

28億件ってすごいねえ。例によって事実と憶測を混ぜこぜにして自分が言いたいことを言う、という記事だ。ちなみに情報の発信元はブルームバーグ。そうした仕組みはこの記事に詳しい。

「会議終了後、Bloomberg のレポーター(単数)が私のところへ来て、いくつかの特定製品の数字を聞き出そうとしました。特定の製品や顧客についてのコメントはしないとハッキリ拒否しましたが、それでもなお彼は他の問題についても質問を続けました。私の発言として彼が記事で引用した『価格は安定しているので、需要の減少によるもの』とか、『ほぼすべての項目がマイナスの方向へ推移している・・・』、『タブレットに限らず、電子書籍やゲームコンソールについても』という文言は確かに私の発言です。しかし特定の製品に関してはいかなる発言もしていません。」

via: アップルのネガティブ報道が生まれる仕掛け | maclalala2

こちらも元の記事はブルームバーグ。と私にとって疑問符がつく報道が続いたところでこのニュース。

ニューヨーク・タイムズは記事の中で「1990年代にブルームバーグがニュース部門を立ち上げた際、記者がユーザーの端末利用状況を取材に活用することを奨励した。そして端末を営業して回る際、記者をセールスに同伴させ、端末の営業を促進することもした。このためブルームバーグのOBの多くは、ブルームバーグはより多くの端末を売るためにニュース部門を抱えていると感じている」と批判しています。

via: ブルームバーグの企業倫理が問われている! - Market Hack

おそらくブルームバーグのニュース部門にとって第一のミッションは端末を売ることであり、報道の正確性とかそういうものは2の次なのだろう。

私はここで「ブルームバーグ」を一括してゴミ箱に放り込むという一般化を行なっている。これは正しいことかどうかわからない。朝日新聞にも毎日新聞にも頭のまともな記者は存在する。

しかし今後ブルームバーグの報道には注意をしていかなくてはならない。

同じようなことは日本経済新聞やNHKにもあるのだろうが、こちらは永遠に表に出ない気がする。我が国ではいいにつけ悪いにつけ、白黒はっきりしないことが多いからねえ。