革新なんて無用です
2013-05-23 07:18
まずはこのグラフを見よう。
現行世代機種の世界での売上である。Wiiの恐ろしいまでの凋落。これは「新しい市場を切り開きはしたけど、そこで成長が止まった」ということなのだろうか。PS3はじりじりと伸ばしたが結局減少し、そしてXBOXだけが順調に売上を伸ばしている。
おそらくこの3つのグラフを重ねてみると、「ゲームコンソール全体の売上」がでて恐ろしい事実がわかると思う。つまり市場自体が急速にしぼんでいるのだ。
この場面で何をすればいいか?三者三様の答えを出そうとした。
任天堂は「あくまでもゲームメーカー」という立場で、「新しいゲームの楽しみ方」を提案しようとした。
ソニーとマイクロソフトは対照的らしい。
SCEはPS4のゲーム機としての側面を強調し、ゲーム体験を豊にする機能とゲームコンテンツの説明に時間を割いた。それに対して、Microsoftはホームエンターテイメントを統合するマシンとしての側面を強調し、ゲーム以外のTVコンテンツとの連携などの機能や再設計されたKinectによるナチュラルインターフェイスなどの説明に時間を割いた。
via: 【後藤弘茂のWeekly海外ニュース】Microsoftが次世代ゲーム機「Xbox One」のベールを剥いだ
ソニーは「ゲーム。ゲーム」といい、Microsoftはこのビデオをみてもらうとわかるが
ひたすら「TV」と言い続けている。ソニーが家電メーカであることを考えるとこれは逆になってもいいと思うのだけどね。
いずれにせよSony,Microsoft両者とも「地道にがんばりました」というもので何の驚きもワクワクもない。とはいえより保守的なのはSonyだ。Microsoftは少なくとも
「ゲームだけじゃないっす。一家に一台XBOX便利でたのしいっす!」
と家電を指向しているように思える。しかしSonyは急速に縮みつつあるゲームで戦っていこうとしているようだ。ソニーのこうした態度はゲームだけに限らない。
かつては「破壊的な製品」を連続で生み出していたソニーがこう述べているのは、年寄りにとっては悲しいことだ。
13年度は「ソニーの総合力を生かした最新かつ最強の製品をタイムリーに市場投入する」。Xperia Zは大幅に設計リードタイムを短縮してタイムリーに市場投入でき、携帯電話事業者から高い評価を得たという。だが「これは序章に過ぎない」と平井社長。
via: 好調のXperia Zは「序章に過ぎない」──ソニー平井社長、13年度は「最新かつ最強の端末をタイムリーに」 - ITmedia ニュース
彼は「最新最強」とはいっているが、「革新的」とはいっていない。一つの会社が時代の流れとともに別の会社に変わることはありふれているのかもしれない。そしてソニーは普通の会社になったのだなあとの感慨を新たにする。
「ウチはもうエレクトロニクスのビジネスでは稼げないし、今後、どう展開して良いのかについても、ノー・アイデアです。だからエンターティメント事業や金融事業に、しがみついてゆきたい!」
ソニー経営陣がどう言おうと、従業員や株主は、そう受けとめるでしょう。
悲しいなぁ......悲し過ぎる。
おまいら、そんなに臆病なの? 昔のSONYが持っていた、Swagger は、何処へ消えてしまったの? via: 若しSONYがエンターティメント事業をIPOしなかった場合、それがどんなメッセージを従業員や株主に送るか? - Market Hack
ちょっと年齢が上の人は「悲しい」と思うだろうけど、20代の若者は「はあ?」と思うのかもしれない。
おもしろいのは、ソニーの金融部門は極めて好調だということだ。つまり「ソニーらしさ」はエレクトロニクスではなく金融業で花開いていることになる。ここらへんの分析って誰かやっていないのだろうか。
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追記:XBOX oneが何かに似ていると思ってようやく気がついた。昔なつかしPSXだ。