こうでなくては大企業の管理職は務まらない

2013-06-17 06:53

久々にすごいものを読んだ。

杉村氏はまず、現在のスマートフォンの動向について説明した。杉村氏によれば、今日のスマートフォンにいたるまでの大きな動きは、1999年にドコモがiモードを提供してから始まっており、携帯電話上でインターネットを使えるiモードの存在が、世界的に大きなブレイクスルーになったという。さらにドコモは、AndroidなどのベースにもなっているLinuxを携帯電話にいち早く搭載することで、技術的なブレイクスルーも実現したと説明した。

そしてもう1つの大きな動きは、2009年前後にAndroidなど現在主流のスマートフォンOSが登場したことだ。これにより、直感的な操作ができるインターフェースや、世界規模でビジネスができるアプリマーケットが生まれ、新たな価値を提供したことで現在の盛況につなっているという。

via: ドコモが考えるモバイルOS「Tizen」の価値--下半期に国内投入へ - CNET Japan

まるで今日のスマホ中心の携帯電話の世界は、ドコモが作ったといわんばかりだ。さすがにそれは言いすぎなので、Androidがちょろっと言及されているが、iPhoneという言葉はどこにも出てこない。

こういう事を人前で真顔で言えるようでなくてはドコモの「担当部長」は務まらんということか。いや、すばらしい。この講演で誰も失笑をもらさなかったのだろうか?日本人は礼儀正しいから誰も笑ったりはせんか。

また杉村氏は、ドコモとしてTizenに期待する3つの要素を挙げた。1つ目は、携帯電話事業者の基準で安心・安全を実現する仕組みを導入できること。2つ目は、自由度の高いアプリ開発が可能なこと。3つ目は、HTML5をサポートすることでデバイスを問わず、いつでも、どこでもコンテンツを利用できることだとしている。

via: ドコモが考えるモバイルOS「Tizen」の価値--下半期に国内投入へ - (page 2) - CNET Japan

こうした言葉を聞く限り、正直先日聞いたFireFox OSとどう違うのかがわからん。またTizenにせよ、FireFox OSにせよ「オープン」であることを錦の御旗の如く振り回すけど、彼らから見ればクローズドなAndroidが無茶苦茶に断片化しているような問題はどう解決するつもりなんだろうね?

というか、この記事を読む限り、Docomoは勝手にカスタマイズできるOSが欲しいのであり、Tizenというプラットフォームが普及することなど別に目指していないように思う。彼らのマインドはおそらく「iアプリ」(誰も覚えてないでしょ)から一歩も動いていない。つまりDocomoだけの閉じた世界でどんどんお金を落としてほしいのだ。
しかしそうすると、それはAmazonがAndroidでやっていることを同じであり、なぜAndroidでは駄目なのか、ということにもなる。

おそらく彼らにとっては「自分たちが王様」になれることが第一なのではなかろうか。それだったらDocomo独自OS作ればいいと思うのだが、さすがにそこまでは狂っていないらしいそうした願望と現実との妥協点にTizenがあるのだろう。

筆者はTizenのデモ用スマートフォンを手に取った瞬間に、このソフトウェアが発売されるまでの道のりは非常に遠いことをはっきりと悟った。

via: 「Tizen」を実際に操作してみた--そのデザインとユーザーエクスペリエンス - CNET Japan

何の特徴もないが、とにかくDocomoが勝手にあれこれできるOS.これで生まれるのは結局裸の王様ではなかろうか。