なんとなく似ていると思ったもの

2013-06-18 06:59

昭和初期にこのようなやりとりがあったのだそうな。

1931年には日本のこのような人身売買の横行に対して国際連盟が「東洋に於ける婦人児童売買の実情調査」の調査団を派遣しており、これに対して政府が以下の通り抗弁したことが記されている。

・娼妓就業は個人の自由意志によるものである
・前借金(消費貸借)と娼妓稼業の間には何等関連は無い
・前借金の有無に関わらず個人の自由意志で廃業を為す事(自由廃業)が出来る
・債権確保の為、娼妓稼業に拘束することは違法(娼妓取締規則・民法90条)

via: 大正末期の無名の娼妓の手記と近代公娼制度について | Kousyoublog

政府の抗弁は論理的であり、かつおそらくはその通りだったのだろう。しかし「そうはならない事情」が強固に存在していた。それ故

昭和の初期にあって自由廃業に成功した娼妓は全廃業者の〇・五パーセントにすぎなかった

via: 大正末期の無名の娼妓の手記と近代公娼制度について | Kousyoublog

ということになっていたようだ。法律と、現実のくいちがいの甚だしさ。

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こういう文書を読んだ。

ただ、「ブラック企業」ということにあえてコメントさせていただくと、何をもって「ブラック企業」なのでしょうか。仮にワタミが法律に違反しているのであれば、それはブラックでしょう。しかし、法律には違反していません。では、離職率の高さなのか。これは業界平均より高くないわけですから、ブラックではありません。では、給与が低いのか。これも平均よりも高いので、ブラックではありません。さらに、メンタルヘルス不調により休職している人間が多いのか。これも平均を下回っています。

via: わたなべ美樹氏「離職率や平均残業時間といったデータを開示することには大賛成だ」 (1/2)(BLOGOS編集部) - BLOGOS(ブロゴス)

彼の言い分もおそらくは正しいのだろう。しかし私は彼の言い分にどこか「日本政府の抗弁」と似たような響きを感じるのだ。

サラリーマンを長年続けていると

何故ならば、社員が明るく働くことが最大の競争力だから。

via: わたなべ美樹氏「離職率や平均残業時間といったデータを開示することには大賛成だ」 (1/2)(BLOGOS編集部) - BLOGOS(ブロゴス)

といった経営者の言葉には空気の振動以上の意味はないことに気がつく。そしておそらく昭和初期の日本にも、そうした「明るい掛け声」が満ちていたに違いない、とも思うのだ。