2+2=5

2013-07-30 06:27

先日見つけた記事。

楽観主義が荒れ狂っていた。あらゆる新たな統計数値の成功は、それが達成されることで、別に強圧的政策を正当化した。あらゆる挫折は、同じ政策の別な刺激となった。「5カ年計画を4年で」というスローガンは、さらに進んで、国家全土に魔法のシンボル「5-in-4」や「2+2=5」が貼り出され、喚き散らされた。

via: 2+2=5: 忘却からの帰還

この記事を書いた人が知っているかどうか知らないが、某三菱自動車が

機能は 1+1=3
重量、コストは 1+1=1

という標語を本当に下請けにばらまいていたことは知っている。

かくして、旧ソビエト連邦で実績ある「不条理の象徴 2+2=5」は、文学として未来へと語られることとなった。

しかし、「不条理の象徴 2+2=5」を知らぬ者たちは言う。「1+1は3にも4にもなる」と。こういうのを人間力と言うのかな?

via: 2+2=5: 忘却からの帰還

やっかいなのは、この「計算」が当てはまる分野とそうでない分野があることだ。例えばソフトウェア開発だと

1>1000

ということが本当に起こりうる。そしてこの左辺の「1」にいる人は、この不等式が他の分野でも成り立つものだと勘違いする。

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こういう数字があるらしい。

クリーンエネルギーの割合は、約20年前から世界の発電のうちの約13%で止まっている。実際、グリーンエネルギーが増え続けているのは事実である。しかし、化石燃料による発電も同様に増加していて、旧エネルギーと新エネルギーの比率は変わっていない。

via: 20年間、グリーンエネルギーの比率は実は増えていない « WIRED.jp

でもってこれに対する反論。

「中国は、いまや最も再生可能エネルギーに投資をしている国です。インドは風力に大規模な投資を行っています。ブラジルやほかの経済成長の急速な国々も同様です。まだ数字には出ていませんが、このことは、旧エネルギーと新エネルギーの関係がすでに変化していることを明らかにしています」。

via: 20年間、グリーンエネルギーの比率は実は増えていない « WIRED.jp

このロレンツォーニ氏の言葉を読んでいると、中核派とか革マルとか左翼の残党が「我々の闘争は拡大を続けている」とかなんとか書いている文章を思い出す。数字には現れない傾向を読み取ることが大事だ!問題はそうした「傾向」は他人と共有できない、ということだ。

でもってイタリアでは、多分送電でいろいろな問題が起こっているのだと思う。

「2013年5月から6月に、再生可能エネルギーは、イタリアで生み出された電力の50%以上となりました」と、ロレンツォーニは説明する。「歴史的な達成です。電力網の管理にはまだ問題があります。しかし、非常に大きな変化です」。

主な障害は、発電の中断に関するものだ。従来の発電網は、再生可能エネルギーによる発電量が低下したらバランスを取らねばならず、それは簡単なことではない。「電力網の調整能力をコントロールすることは、今後数年の発電における課題です」。

via: 20年間、グリーンエネルギーの比率は実は増えていない « WIRED.jp

日本で自然エネルギーが語られるとき、ここでロレンツォーニ氏ですら認めざるをえない問題が語られることは滅多にない。「数字に表れない傾向を読め!」といったところで電力網の安定には何の役にも立たない。