ハードウェアについて語ること/作ること
2013-07-15 06:34
何事もそうだが、「語ること」のほうが「作ること」の何万倍も容易である。というか語るだけだったらなんでもありだもんね。
そんなことを実感させられるニュースをいくつか見た。
日本マイクロソフト株式会社は、「Surface RT」各モデルの価格を7月15日から一律で1万円値下げする。同社は6月14日から7月14日までの期間限定で同様の値下げキャンペーンを行なっているが、この価格をそのまま新価格とする。
via: 「Surface RT」価格改定、今後もずっと"一律1万円引き" -INTERNET Watch
今この結果について語ることは簡単だ。ではどうすればよかったのかと言われても明確な返答はできない。仮に私がMicrosoftにいたとしても、これ以外の決断ができたとは思えない。
それほどMicorsoftの方針は理にかなってはいたのだ。結果はご覧の通り。
量販店では4週連続でiPadを上回る販売実績となっている。量販店での展示スペースは小さいのにもかかわらず、こうした実績になったことにわれわれも驚いている。
via: SurfaceがiPadを上回る販売実績、Windows 8.1はタッチ機能向上--MS樋口社長 - CNET Japan
こういう発言ができるメンタリティをもっていなかえれば、日本Microsoftのトップは務まらん、ということなのだろう。それを批判するのは簡単だが、じゃあお前が売ってみろと言われても返答につまる。
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もう一つ例を挙げておく。
2013年4月23日の発売当日はサーバがパンクするほど予約が殺到し、1日で約3000台の予約を獲得。最終的には当初の予想を大きく上回る5000台を販売し、部材はもちろん工場の組み立てラインの確保や、さらにそれらの品質の確保など、多くの問題が発生したという。
via: モノづくり最前線レポート(36):手書きタブレット「enchantMOON」をモノづくりの観点から考えてみる (2/2) - MONOist(モノイスト)
日の丸ベンチャーの「気持ち悪さ」の象徴と私が勝手に思っているこの製品。予想を5倍も上回る注文が殺到してすごいなー。(棒読み)
でもって第2回の予約受け付けが開始されたのだそうな。
販売数:限定200台(予約受付中)
via: enchantMOON - Impress Watch
7月7日正午にスタートした予約は、まだ受付中。5000台一気にはけた製品が、追加の200台もろくに売れない。何かがおかしいような気がする。
でもって肝心の製品のできだが
欠陥は言い過ぎかもしれないけど、少なくとも「いわゆる"中華タブレット"レベル?」と思ったのは事実で、それゆえの先のコメントになったわけです、私は。
via: enchantMOONの第一発送分を受け取った人たちの呟きまとめ - Togetter
このページに書かれている「ユーザの声」を聞いていると、CEREVOのデジカメCEREVO CAMを思い出す。あれも商品としては「安っぽい中華製の何か」としか思えなかった。
かくのごとく批判するのは簡単だが、じゃあお前がもっといいハード作ってみろと言われても返答につまる。
これは当たり前のことだが、往々にして忘れがちになる。論評とソフト開発とハード開発はそれぞれ全く異なるルールのゲームであり、いずれかの分野に秀でているからといって、それがそのまま他の分野にすぐ適応できるわけではない。
ハード開発ではやはりAppleが図抜けていると思うが、iCloudとGoogleのサービスを比較すれば、私のようなApple原理主義者であっても、Googleのサービスを使いたくなる。ハード開発とServerベースのサービス開発はまた別のゲームなのだな。
などと一芸にも秀でていない人間が書いても何の説得力もないか。