ゴミのようなプレゼンスライドと破綻したiOSアプリの関係

2013-08-12 06:42

例えば、日本の伝統的大企業は未だにこのような「プレゼンスライド」を人前に出して恥ずるところがない。

スマホ・車載機連携サービス、デンソー アルペジオ「車を熟知した当社ならではのサービスを提供」

デンソーはカーナビ連携スマートフォンアプリ「smart G-BOOK ARPEGGiO(アルペジオ)」の商品説明会を開催した。説明会ではまず、同社情報通信事業部 情報通信サービス開発室の阿知波恵造氏がデンソーにおけるスマートフォンと車載機の連携への取り組みについて紹介した。

via: スマホ・車載機連携サービス、デンソー アルペジオ「車を熟知した当社ならではのサービスを提供」 - カーライフナビe燃費

こういう「人前でしゃべる際のサポートとして」ではなく「渡して読んでもらうため」のスライドというのは、それに相応しい場所で使うべきだ。つまり配布資料として用いるべきで、人前で話すときに使うものではない。

しかしこういう「スライド」が大好きな人もいる。

一方、日本人は1枚のスライドで全体像を模式化した、手のこんだスライドが好き。プレゼンの後に、1枚を表示してディスカッションをすれば事が足りるし、後から見ても意図や内容が明確に思い出せる。ただし、作るのには異様に時間がかかる。

via: 【持論】TED式プレゼンは世界一ではない - EverLearning!

だからそれは「配布資料」であって、短時間で人に見せて理解してもらうためのものではないと、、いや引用文章を書いた人もそう言ってるんですけど、その区別が理解できない人はとても多い。

でもって最近話題になったこの文章。

結果・・・どうみてもクソアプリです。本当にありがとうございました。

面白いのは、それぞれのリクエストは、多少の見当違いはあれどそれなりに真っ当な意見だったこと。おそらく個々を単体でABテストをすれば、アクティビティが確実に増加するような機能が大半です。

それなのに「妥当な苦情、妥当な改善案でも、数が増えると破綻する」というのは、ある意味不思議な現象です。

via: スマホUI考(番外編) 顧客やユーザーの要望に全て対応すると、アプリは99%破綻する | fladdict

これを見比べて、私ははたと悟った。見る相手が理解できようができまいが、とにかく

「必要な情報を載せて、チェックしてもらう過程で指摘があった点を反映した」

スライドというのは、こうしたゴミのようなアプリUIと同じである、と。つまりそれは「作り手の都合」だけを凝縮したものであり、快適な体験をユーザに提供する、という責任と思考を放棄したものだからだ。

言いたいこと、書いておかなくちゃいけない「条件、制限事項」は一杯あるけれど、それを小さな文字にして画面に書いておくことに何の意味があるのか?それは「言い訳」の集合体でしかない。

しかしサラリーマンにはそれは削れない。そりゃ上司から言われたり、法務からいわれりゃ書くしかないよね。ゴミみたいなアプリのUIもその類だ。

なんて書いてるのは、今自分が関わっているアプリのUIがゴミになりかかっているからであって、、、つまりは愚痴なのであった。