正しいビジョン・正しくないビジョン

2013-08-28 06:30

(まず最初に自分を棚にあげます。はて?何のこと?)

ビジョンというかミッションステートメントを掲げている企業は多い。そのほとんどは社員がその言葉を知らないか、知っていても「お経」として捉えている。

それには理由がある。ほとんどの場合、ビジョンは日常業務と何の関係もない。または抽象的過ぎて、日常業務に適用しようがない場合も多い。


例えばNECが掲げていた

"Smartphone is MEDIAS"

SMARTPHONE IS MEDIAS これぞスマートフォンと呼ばれるモノを。

via: MEDIASシリーズ「SMARTPHONE IS MEDIAS」: 宣伝広告 | NEC

なんか格好がいい言葉だが、何も言っていない。だからこの言葉には意味が無い。

Googleのそれは

1.「世界の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」

2.サービスをすべて無料にする

3.収入は広告収入に限る

via: Takaaki Murakami Blog:ミッションステートメント

である。これは具体的であり、かつ日常業務に直接影響を及ぼすものだ。一つ注目したいのは、このステートメントには「善」も「悪」もないことだ。とにかく「これをする」と言っている。ともすれば

「みんなが幸せに暮らせる社会に貢献する」

とやりがちな日本企業とは一線を画している。

AppleがWWDC2013で発表したDesigned by Apple in Californiaはそれ自体意味がわからないが、TV CMをみれば

「我々はこういう物を、こういうスタンスで作る企業である」

と明確に宣言している。そして彼らのプロダクトを見れば、その言葉に忠実であることがわかる。

さて、バルマー後のMicrosoftである。

ビジョン 最近Microsoftが公にしている自社の定義は「Microsoftはデバイスとサービスの企業だ」というものだ。これはまるでディズニーが「われわれはテーマパークと映画の企業だ」と言うようなもので意味がない。「すべての家、すべてのデスクにパソコンを」というMicrosoftの創成期のビジョンは、当時としては「月に人間を送る」くらいの壮大なスケールの使命だった。

via: スティーブ・バルマー以後のMicrosoftは何をなすべきか? | TechCrunch Japan

この記事を読んで確かにそうだと思った。今のMicrosoftに足りないものはいくつもあるが、「そもそも何がしたいのか」がわからなくなっているように思う。

いや、キーボードはわかったからさ。

「全てのデバイスにMicrosoft Officeを!」

ならそれでもいいよ。とにかく何か決めたら?というかもともとBill Gatesは「敵を倒す」ことにしか興味がなくて、

「全ての敵対企業を撲滅する!」

がビジョンだったのかな。本当のところは。