進化する企業・進化してはいけない企業

2013-08-29 06:38

今こういう本を読んでいる。



とても貧乏なのに、迷わず3990円出したのは、WISS-Tokyoでしゃべるネタにつながっているからだ。

分析の対象、手法についてはいろいろ言いたい点はあるが、そもそもこうした

「不確実性を最も嫌う企業で、不確実性の塊である"新しいこと"をどのように正当化するか」

という矛盾に満ちた事例を集めてくれただけでも3990円の価値はあると思っている。

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ある種の企業は「変化しない」ことに価値がある。考えほしい。たとえば東京電力の社長がこう言い出したらどうなるか。

「GREE,DeNAの利益率は実にすばらしい。東京電力は明日から、GREE , DeNAを見習った企業になる!」

ガチャをひかないと電気がこない、とかそういう社会が訪れる。東電の経営状況は改善するかもしれないが、日本は破滅である。(冗談ですよ。法規制がどうとか真面目に突っ込まないでください)

しかし世の中はうまくいかない。変化しないことを強みとする企業が、変化の早い業界にいけば、衰退する。その逆もだ。



しかし僕が毎日働きながら思うのは、dマーケットとdメニューを重要視しているお客さんなんて、1%もいない。ということです。


その状況でもまだ自社コンテンツで戦うことに固執し、さらにメーカーとの癒着を優先しているのは、


明らかに「変化に対応できていない」企業の姿である、と見ています。


via: ■みんなが未来のことを気にしてるので、未来人に聞いてみましたよ。 | iPhone愛用中ドコモ店員のブログ

電電公社は、変化しないことで数十年その命脈を保ってきた。そして不幸にしてその一部、携帯電話の分野において変化の激しい文化と接触したのだ。

彼らは未だに自分が描いた夢の中に生きている。ドコモが提供するすばらしいdメニューをみなが使い、そしてAmazonのようにどんどん物販で稼ぐという夢を。

そして一説によれば、今や誰がドコモの進路を決めているのかはっきりしないらしい。


[引用] NTTグループのある社長が明かす。「かつてと今は違う。今、ドコモの経営における決定権を握っているのは持ち株会社の鵜浦博夫社長だ。iPhone導入の可否も含めてね」。ドコモの力はグループ内で確実に弱りつつあり、それが加藤社長の優柔不断さを呼び、戦略の矛盾に繋がっている。


via: 日経の言うとおり、ドコモからiPhoneが出るんですか?: やまもといちろうBLOG(ブログ)


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同じく、変化の激しい文化の中で「巨艦」と化したMicrosoftである。彼らを批難するのは簡単だが、「ではどうしたらいいか」についてまともな意見にお目にかかったことがない。

「MicrosoftはNokiaを買収すべきだ」という主張は、数多くのメーカーが争ってWindows Phoneを作ろうとしていた時期には意味をなさなかった 。しかしそんな時代はとうに過ぎ去った。今やNokiaが優れたプロダクトを作るのに失敗すればWindows Phone全体が崩壊しかねないという状況だ。いやはや。

via: この分ではクリスマスまでにWindows PhoneのシェアはNokiaが独占する? | TechCrunch Japan

将来の命運を握るWinows PhoneはもはやNokia独占になるらしい。となるとMicrosoftにはそれがどれほど財務的に危険な賭けであろうと、NOKIAを買収するかしか選択肢がないことになる。でなければWindows Phoneから撤退するか。

こちらも誰が進路を決めているのかがわからない状態だ。どちらが原因か結果かはわからないが。