Micorsoft ジャパンの奇妙なマーケティング

2013-10-04 06:31

ビジネスは結果を出せば良い、と言われる。逆に言えば駄目な製品でも売れなければ「お前のせいだ」と言われかねない。

かくしてMicrosoftジャパンの人間は「マーケティング」に知恵を絞ることになる。彼らの編み出した理論は

「Surfaceは売れている!値下げしたのは決して売れていないからではない」

というもの。そしてその主張を裏付けるやり方が変わっている。

虚構新聞より東スポより信用がおけないBCNに記事を載せる。そしてその内容がまたすばらしい。

それでは「Surface」の市場への影響力はどのぐらいだろうか。「第4世代iPad」と比べると、ビックカメラでは「iPadよりも売れている」(梅内主任)という。そこで、iPadの実売データをもとに、「Surface」のタブレット端末市場全体に及ぼす影響を探った。

 「iPadよりも売れている」のはビックカメラ限定の情報なので、幅を取って「Surface」の販売台数をiPadの±20%と仮定する。この仮定の下、タブレット端末の2013年8月のメーカー別販売台数シェアを計算すると、日本マイクロソフトのシェアは7.5~11.3%となる。これはソニーを抑え、ASUS、アップルに次ぐ市場3位のシェアだ。

via: 実は「iPad(9.7インチ)」並みに売れている「Surface」、タブレット端末の新しい市場を開拓

ビックカメラの販売主任の「iPadより売れている」という一言を元に日本におけるシェアを推算している。このアクロバティックな技にはめまいがした。BCNとわかっていても。

ところがこの「販売店の一言で売れていることになる」ロジックは一回だけではない。どうやら今のMicrosoftのマーケティング戦略の重要なポイントらしい。

Surfaceは思っている以上に売れているというのが実態だと言えよう。そして、量販店でも重要な役割を果たす製品となっているのは間違いなさそうだ。発売半年の成果は、量販店においても合格点の成果だといえるだろう。

via: 【大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」】SurfaceがノートPC販売の2割を占める ~ヨドバシカメラ・御代川店長にSurface発売半年の成果を聞く - PC Watch

この満点の評価も、根拠はすべてヨドバシカメラの店長のコメントだ。あちこちよくみたが「PR記事」という記述は認められない。つまり大河原克行という人は、真顔でこういう署名記事を書ける人、ということなのだろう。まあ人間食べていくのは大変だよね。

日本の情勢は世界の情勢と全く異なっていてもおかしくはない。だから「参考データ」でしかないのだが、直近のiPadとSurfaceの世界での販売台数を比べてみよう。

IDC estimated that Microsoft has shipped approximately 2.1 million Surface tablets of all kinds since the October 2012 debut of the Surface RT.

By comparison, Apple shipped nearly 57 million iPads in the last three quarters.

via: Windows tablets capture more share, but Surface suffers - Computerworld

世界中ではどうやらiPadのほうが25倍売れているらしいのだが、日本では「SurfaceのほうがiPadより売れている」こんな記事を読んで騙されるほうが悪い、ということなのかもしれないが。