権威の言葉
2013-10-09 07:00
自分が全く何も知らない分野だと、「実はこうなんだよ」と語られると「そういうものか」とも思う。ゴルゴ13がその典型例だ。実はダイヤモンド市場というのはこうなっているんだ、とか読むと「ほうほう」と思う。
しかし自分がよく知っている分野に関して「権威」が語るのを聞くとその人の程度が知れることが多い。もちろん逆に「知らないはずの分野なのに、これほどまでに慎重に調べ、コメントするとは」と驚くこともあるのだが。
さてなぜか有名な大前研一という人である。なぜか知らないが発言をあちこちで見かける。彼がDocomo+iPhoneについて語った言葉を聞こう。
実際、アップルの新しいiPhone2機種のうち低価格の「5c」は99ドルだ(携帯電話事業者と2年契約の場合)。これまでアップルは価格を維持できたから利益が出ていたが、今後は低価格競争に巻き込まれて、ブランド力と利益率の低下に苦しむことになるだろう。ドコモとの提携は、iPhoneのコモディティ化をさらに加速する可能性もある。
via: 大前研一氏 スマホ戦争注目は相乗効果大きいMS・ノキア連合 (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース
もうどこからつっこんだらいいかわからない状態だが、まず「5Cが$99」というのは2年契約縛りがあっての話。それがない状態では$549だ。これが高すぎるといって発表直後が話題になっていたのだが、それと正反対の「価格競争に巻き込まれ」とか寝ぼけているとしか思えない。「ドコモとの連携がiPhoneのコモディティ化」とか何の話だろう?
というか多分自分で物を調べずに、耳にはいった情報だけを元に憶測を重ねているんだろうな。忙しい売れっ子というのはこういうものかもしれない。不思議なのは、この人が発言したり講演したりすることで多額の金を得ている点だ。世の中「金を儲ける方法」と「正しく賢明であること」とはなーんの関係もないのではないか、と思うことがある。いや、多分彼は「金を稼ぐ」という点においては「正しく賢明」なのだと思う。