モジュラー式ハードウェア(あるいはソフトウェア)というよくある幻想
2013-10-31 06:58
ちなみにこのタイトルはちょっと失礼なものかもしれない。まだMotorolaのこれがどんなものがわかっていないからだ。
それはなぜか。このGoogle子会社は今日(米国時間10/29)の午前、Project Araなるものに取り組んでいることを発表した。モジュラー・スマートフォンとそこにはめ込むパーツから成るオープン・ハードウェア・プラットフォームだ。
via: Motorola、プロジェクトAraでモジュラー・スマートフォンを現実に | TechCrunch Japan
すごいと思う?多分実際に使おうと思うと問題がでてくる。
- はめ込み式にするということは、内部のスペースを最適化することと矛盾する。従って同性能の携帯電話より大きく、重くなることは避けられない。
- さらに、モジュール間の結合を、信頼のできる形で容易に取り外せるようにしなくてはならない。ホコリ、汚れ、などの対策も必要。
- モジュールの大きさはある程度規格化されなくてはならない。(そうでなくてははめ込めない)結果無駄なスペースがでたり、必要なスペースが得られなかったりする。
わあっと話題になったあと、「結局全部固めたほうがいいね」という当たり前の結論に回帰する、というのが今までのパターンだった。これはどうなるだろう。
別の言い方をしよう。今やほとんどの携帯プラットフォーム会社が垂直統合に移行しつつある。であれば、確かに「逆バリ」をやるのにいい時期かもしれない。このAraが失敗してもGoogleにとって痛くも痒くもない。この
"Me too"
式でない挑戦が成功すれば大儲け、といったところだ。
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ソフトウェアの世界でも「モジュール式で、どんどん取り替えられます」というのはよくある謳い文句だ。でもってまともに動いたのを見たことがない。(正確に言えば、宣伝どおり動いたのをみたことがない)
愚かな人間もしくは組織は、過去の失敗から何も学ばず「よくある思いつき」をそのまま実行し失敗する。Project Araがそうしたものの一つではないことを祈る。