記事と個人名と
2013-11-07 06:52
技術ジャーナリズムの新しいルール、より。
Not all analysts are created equally. If you plan on quoting one in your piece, said person must come from the list of approved analysts. Here's the list:
via: The New Rules of Tech Journalism - Curious Rat
- Ben Bajarin
- Horace Dediu
- Anyone else those two recommend
思えばインターネット登場以前は「ジャーナリズム」の黄金時代だったと思う。言ったもの、やったもの勝ち。もちろんリソースを握っている人間にはヘイコラする必要があるが、ヤラセ、捏造、なんでもできた。皆が「おかしい」と思ってもその声が集まることはなかったのだ。
しかし時代は変わった。皆の「おかしいんじゃないか」という声が共鳴しあうのだ。もちろんそれが間違った方向に向かうこともあるわけだが、黄金時代は終わったと思う。
そして一つ確かなことがある。おそらくは記事の内容が信用できるか否かについては「新聞に掲載さている」とかメディアの名前ではなく、個人の名前で判断すべきだ、ということ。
今朝(米時間29日)、ニューヨークタイムズ・マガジンに出た記事「Cracking the Apple Trap(アップルの罠を暴く)」の話。これは紙版の見出しで、オンライン版は最初「Why Apple Wants to Bust Your iPhone(なぜアップルはあなたのiPhoneを壊すのか)」というタイトルでした。
via: 「アップルの罠」は本当なのか? 新iPhoneが出たら旧型が遅くなったというNYタイムズの話を検証 : ギズモード・ジャパン
これはあまり我が国では話題になっていないが、ひどい記事だった。でもってこの記事を書いた人間だが、ここでその様子を見ることができる。控えめな表現を使うが、あまりその言動からは知性を感じ取ることができない。よくこんなのが書いたのを載せるなあ。
しかしこうした例は後を絶たない。我が国にだって立派な例はある。(ドヤ顔)
記事は6日正午前には削除され、Yahoo!ニュースなどの各配信先でも閲覧できなくなった。「エコノミックニュース」の代表者は、業界関係者や読者から間違いの指摘があったことを受け、現在、記者と取材先に再度内容を確認している最中だという。
via: 【捏造ニュース】日本酒に「大量の防腐剤」と仰天記事 蔵元や関係者から抗議や指摘受け、削除【エコノミックニュース】 : ジャックログ 2chJacklog
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で例によって自分でやらずに「誰かが作ってくれないかな」と妄想するわけだが、wikipediaの「ジャーナリストブラックリスト」ができないかな、と思うのだ。(以前twitterアカウントで同じことができないかと書いたな)
ジャーナリストの個人名と、彼または彼女が執筆した記事を引用する。でもってそれがどの程度信頼出来るものか、というのを閲覧者が判断するわけだ。意見の右・左とは別に信頼できる、できない、という度合いを集合知で判断する、というのは悪いことではないと思う。
もちろん誹謗、中傷、捏造、あれこれ集まるだろうがそうしたサイトはこれから役にたつと思う。それにwikipediaがちゃんと機能しているところを見ると、成立性に関してそれほど悲観的になる理由はないように思う。
あるいは「信頼の連鎖」を作るのもいいかもしれない。私の考えでは、おそらく信頼できるジャーナリストとそうでない人はそれぞれのクラスターを作っていると思うのだ。
いつの日か年をとって会社から引退したらこういうのを作るかな。。