ロボットに似た人間

2013-11-19 06:58

先日こんなイベントがあったのだそうな。

日本ヒューマノイドロボット研究会とは「未踏IT人材発掘・育成事業」に選ばれている吉崎航氏が主催する研究団体。今回の会は、その吉崎氏と、未踏プロジェクトのプロジェクトマネージャー(PM)も務めている大阪大学の石黒浩教授からの提案で今回の会が主催されたという。今回は特にヒューマノイドロボットのデザインに関するパネルディスカッションということで4人のパネラーが選ばれ、「ロボットを人に似せる意味はなにか」と「どこまで人に似せるべきか」をテーマに、トークと簡単な議論が行なわれた。

via: 【森山和道の「ヒトと機械の境界面」】ロボットを人に似せる意味は何か ~ヒューマノイドロボットのデザイン - PC Watch

ここで書かれていること(園山氏の言葉は除いて)には現状日本の「ヒューマノイドロボット研究」が置かれているどうしようもない状況が現れている。彼らは何十年たっても

「そもそも人間に似せる必要はどこにあるのか」

という根本的な疑問から目をそらし、それぞれの研究に勤しんでいる。

この記事からは「取材者」として参加していながら、おそらくこの問題にはより深く考察している森山氏のいらだちが現れている。というか一番読み応えがあるのが、発表者の発表内容ではなく、一番最後に付加されている森山氏の感想だ、というのは皮肉としかいいようがない。

というか

こういうイベントやるなら森山氏にしゃべらせるべきだと思うんだよね。他の先生方はいいから、園山さんとサシで議論してもらえば、きっとものすごく面白いと思うのだけど。

つまり、単なるヒトの模倣ではない、だが「ヒトに似た形」をしたロボットには、情緒的な側面以外での存在理由が既にあるのだ。先行した数社に続いて多くのメーカーが双腕ロボット開発へと乗り出し始めたことは、実際に導入してみると少なからぬ有用性が現場で確認されたことを意味しているのだろう。

via: 【森山和道の「ヒトと機械の境界面」】ロボットを人に似せる意味は何か ~ヒューマノイドロボットのデザイン - PC Watch

産業用ロボットの世界では既に新しい動きがでているのに「ヒューマノイドロボット」を研究している人たちは10年一日の堂々巡りの議論に遊んでいる。理由はわからないが、日本のロボット研究というのはどこか浮世離れした世界だ、という感を強くする。これはやっぱりアトムとかドラえもんの罪じゃないかと思うんだ。

じゃあ空想の世界ですごいものができるか、といわれればパシフィック・リムは外国産だし。。こうした

「駄目な研究領域が生まれる過程」

についてメタ研究をするのは面白いかもしれないね。日本で繰り返し見られる失敗パターンというのは「勝手に自分たちで型を作り上げ、それにハマることを良しとする」傾向だと思う。アトムやドラえもんが作り上げた「型」を必然性もなく尊重し、ひたすらそれにハマることを良しとしている、、とかなんとか。