ものづくり大国の幻想(何度目かなと書くのも何度目かな)
2013-11-26 07:09
日本企業が強いのは現場のおじさんたちの力だ、と学生の時に思った。最近までそう信じていたが、どうもその信念が揺らいできている。いや、以前にもMicrosoft tabletとNECのタブレットを比べて嘆いたりしていたのだが、どうもそれより状況は深刻のようだ。
「まずは、日本の名だたるメーカーを数件ほど回りましたが、全社に『できない』と言われました。正しくは『できない』ではなくて、『やったことがないからわからない』という話でした。技術者の話に職人が乗ってくれないのは、すごく問題だなと思いましたね。それで次に、中国のメーカー数社に声をかけたのですが、彼らは全員『できる』と言うんです(笑)。『やったことがあるのか』と聞くと、『ない』と言う。『やったことがないのに何で大丈夫なんだ』と聞くと、『いや、できるからだ』って(笑)。本当に真逆でしたね」
via: "未来"の家電ができるまで:バルミューダの暖房器具「SmartHeater」 « WIRED.jp
結局中国のメーカーも、最初に上げてきた試作品は惨憺たるシロモノであったが、バルミューダから派遣した技術者との二人三脚により、何とか成功のめどが立った。
わからないことはやらない、の日本企業。やったことないけどできる。いや、できないんだけど、できるようになる、の中国企業。
これでも本当に日本の職人さんたちは優秀なのだろうか?単に自分たちが作り上げた「型」にはまって「こんなものは無理だよ」と「職人ぶって」うそぶいているだけではないのか?
我が国は
「徹底的にやられ、素直に学ぶ」
という態度と
「自信過剰に陥り、型にはまることを優先し硬直化、結果破滅する」
の間で揺れ動いていた歴史を持つように思える。今は前者のフェーズの始まりにいるのかもしれない。