巨人軍原監督に見るリーダーシップ
2013-12-16 07:15
原監督という人がいる。実は監督としてよい成績を挙げているのだが、誰も「名監督」と言わないらしい。
長い巨人の歴史を振り返ってみても、これだけの経歴を誇る人物はそういない。一概に比較はできないが、単純に成績面だけ見れば前人未踏のV9を達成した川上哲治氏(故人)に次ぐ功績を残していると言ってもいいだろう。王貞治氏(現ソフトバンク球団会長、巨人軍OB会長)や長嶋茂雄氏(巨人終身名誉監督)の巨人監督時代の成績をはるかにしのぎ、指揮官としては事実上の"2トップ越え"を果たしているにも関わらず、毒舌の巨人OBたちからは「ONに比べれば原なんて求心力もなく、まだまだヒヨっ子」という指摘が絶えない。
via: 珍言連発の原辰徳監督は「名将」か、それとも「迷将」か? (Business Media 誠) - Yahoo!ニュース
正直日本のプロ野球には興味がないのだが、こうした奇妙な文化は野次馬として面白いと思う。でもって昔解説で原氏の言葉を聞く度
「こいつはアホではないか」
と思った。
しかし
リーダーシップというのは面白いもので、名選手は名監督になれるわけではない、という言葉もある。「アホ」でも、いやそうであるから名監督になれる、という側面もあるのではないか。
「あのイチローが、原監督のことを『あんな面白い人、いないよ。WBCでは一緒に野球ができてとても良かったと思っているし、俺が、俺がと出しゃばり気味のボクら選手たちを、常に明るく熱い言葉でぐいぐい引っ張っていただいた』と絶賛していたんだ。
via: 珍言連発の原辰徳監督は「名将」か、それとも「迷将」か? (Business Media 誠) - Yahoo!ニュース
塩野七生の著作にあったように記憶しているのだが
「リーダーとは"私が支えなければ"と部下に思わせることができなくては」
というのも確かだと思う。熱意はあるが、どうにも変なリーダーを「しょうがないなあ」と選手たちが支える。全体としてみればこれも立派なリーダーシップだ。特に各チームのトップ選手を集めたようなチームを率いるためには、こうした「ぼんやりとした」大将がいいのかもしれん。
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とはいっても、選手の側からみればそうした「名監督」のコトバ全てに従うわけではない。
「優勝旅行に来ている選手の数が少ない。喜びを分かち合うことは大事なこと。選手がたくさん集うようにしてほしい」
via: 来年V旅行は全員集合!巨人・原監督、村田に異例の"陳情" (サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース
そりゃ日本人にとって「あこがれのハワイ航路」だったころは「優勝のご褒美にハワイ旅行」ってのが成り立ったんだろうけど、今どきなんで「勤務先」の人間と旅行にいかなくちゃいかんのか誰も理解できない。
自分が「ご褒美」と思うが相手にとっては苦痛でしか無いことを強制するのは、まあなんというか性犯罪にも共通する点があると思うのだがいかがなものだろうね。
今どきこんな「社員旅行」がまかりとおる団体というのも実に興味深いのだが、これについて書きだすのは危険なので、このへんで。