広報担当の仕事
2013-12-25 07:03
広報なる仕事に従事したことはないし、おそらく一生することはないだろう。だからその苦労については想像することもできない。というわけで見る側として無責任に文句を言えるわけだ。
サムソンは商業的にすばらしい成功を収めているが、そのCMのセンスの悪さでも定評がある。(今年のSuper Bowlが楽しみだ)最新作を見てみよう。
サムスンの意識としては「クリスマスプレゼント」(ついこちらと比較したくなる)のつもりなのかもしれないが、少々的外れなのではなかろうか。
しばしば巨匠の制作する映画には謎めいた部分が残る。サムスンのCMビデオを見て感じる違和感も、それと類似のものなのかもしれない。ともかくビデオを見て、そしていろんな人が感じた疑問点について考えてみて欲しい。
via: 皆が幸せなホリデーにちょっとイラっときたので、サムスンのCMにケチをつけてみた | TechCrunch Japan
いや、本当に見ていてイライラする。これを見て誰がサムソンの腕時計型端末を買いたくなると思っているのだろうか。しかし少なくともサムソンの広報はそう判断したのだ。あるいは全然違う思考方法で決定されたのかもしれんが。
しかしサムソンを上回る力作-そして斜め上の広報担当者の努力-がここにある。
NokiaのWIndows RT タブレットのCMらしいのだが、一体何が言いたいのだろうか。解釈に困ったときは人の意見を聞いてみるのがいいだろう。
Todd Green1 日前 Certainly a miss. They must have double agents in the ad department sinking them on purpose.
NOKIAを意図的に沈没させようとしている、二重スパイが広報部にいるに違いない。
うん。それなら理解できる。
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というわけで、おそらくうちの娘には受けが悪いであろうAppleのCMである。
[Apple - Holiday TV Ad - Misunderstood | YouTube]
片時も iPhone を手放さず、クリスマスの家族の集(つど)いからもひとり離れている少年。
そんな少年が iPhone からテレビに映してみせた家族の姿・・・
みんなから離れていると「誤解されて」いた少年も、やっぱり家族の一員だったのだ。
via: Misunderstood(誤解されて) | maclalala2
WWDCでみたDesigned by Apple in Californiaの時からだが、Appleの「商品の姿を明示的に出さない」姿勢はここでも顕著である。
それ故うちの娘には「何が売りたいかわからない。ダメ」と評判が悪い。しかし私のようなApple信者からみるとここでAppleが目指しているものは明確である。
「人々の生活をよりよくする製品」
それは、髪の毛を生やすための製品でも、女の子に自慢するための製品でもない。
少なくともこの3種類のCMを見る限り、私はApple原理主義者でよかった、と思うわけだ。
さて、Tim Cookは2014年に新しい、おそらくは全く新しい製品を出すことを予告している。それはどんなものになるだろう。仮にiWatchと呼ばれるものであったとしても、それは「女の子にみせびらかしてナンパするための製品」ではないことが期待できる。