SIMフリーiPhoneで困った人

2013-12-20 06:44

SIMフリーiPhoneが何の前触れもなく発表された。その直後の反応がいろいろおもしろかった。

今の携帯電話の課金体系というのは、誰も理解できないほど複雑になっている。しかしマクロでみてみよう。携帯電話3社は、お互い競いながらも実に莫大な利益を挙げている。つまりもうかっているのだ。仮に古典的な資本主義の論理を用いれば、自由競争の元では利益は0に近づくはずなのに。

というわけで、一括0円だの、なんとか割引とか言われてもほとんどの人はかなりの料金をぼったくられていることになる。なんとか割引で目をくらませながら、結局キャリアが得をするようになっているのだ。

そこにでてきたのSIMフリー。これをやられると「本体代金」と「月々の通信料」がまるはだかになってしまう。これはまずい、ということでいろいろな動きがあるように思う。まずしがらみのない(であろう)立場の声

普通に3キャリアでiPhoneを買った場合。
本体大の割引の月々サポートがかかるとはいえ、かかる料金は毎月約8000円。
2年間使ったとして
8000円×24=192.000円。

AppleストアでSIMフリーiPhone買ってmvnoで使ったとして。
iPhon5s 16GBで本体代71800円+(980×24)=95.320円。

オーマイガッ!!半額!!

via: ■SIMフリーiPhoneで泡を吹いたひとリスト。そしてmvnoデビューすれば最強。 | iPhone愛用中・元ドコモ店員のブログ

ところが既製のメディアだとこんなことを書くわけにはいかないようだ。CNETという媒体があり、トップに記事が並んでいる。だいたい日替わりでトップの記事は入れ替わっていくのだが、不思議なことにずっと掲載されている記事がある。そこから引用しよう。

そして、通信事業者(キャリア)の複雑な販売システムから逃れ、端末と回線を分離して自由にしたいと漠然と考えている人も多いだろう。分離すれば月額1000円以下の低価格SIMを使って安くiPhoneライフをと考えている人も多いかもしれない。

 しかし、ちょっと待ってほしい。SIMフリーiPhoneは特定のキャリアを利用しなくていい代わりに現在の手厚いキャリアの優遇措置も受けられないため、買い方によっては損してしまうこともある。

via: SIMフリーiPhoneはお得?--フリーダムを考える - CNET Japan

多分この記事を「かかされた」人はわかってやっているのだと思う。「しかし、ちょっとまってほしい」は朝日新聞のトンデモ記事を揶揄する時の常套句だからだ。

この記事を読むと「何のことだかわからんが、まあ3キャリアを選んで置けば安心か」と誰もが思うだろう。そうした点では実に見事な文章だ。

「手厚いキャリアの優遇措置」などというものの、その優遇措置の原資はどこから来てるんでしょうね?キャリアはボランティア精神にとむNPOだとでも?

この記事がトップに掲載され続けているのにはやっぱり理由があるんだろうなあ、と思う今日このごろである。それだけSIMフリーiPhoneの衝撃は大きかったのだろう。

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ちなみに私はiPhone4S(海外から輸入版)+IIJのSIMで大変ご機嫌にくらしている。問題は次だ。

Mac Book Airは手放せないので、テザリングができないと困ることが多い。ところが国内で販売されているSIMフリーiPhoneはテザリングができないらしい。これは困った。(シャッター音はまあ我慢するとして)

というわけで、また海外から輸入しなくちゃならんのかな。。iPhone6Cだと思うが。問題はキャリアである。正確に言えばMVNO業者。

IIJでご機嫌だったのだが、Biglobeが新しいプランを出してきた。こちらには無線LANがついているところが大きい。となるとちょっと浮気しようかとも考える。しかしそう遠くない将来子どもたちがスマホをもつことを考えると、IIJの3枚SIMを使える「ファミリーシェア」は非常に強力だ。奥様はどうしようもないが、子供二人と3人で仲良く使って2688円。ところがBiglobeでSIM3枚を持とうとすると3980円。この差は痛い。そりゃもちろん使えるデータ量が大きいんだけどね。

それに動作検証の結果を開示する点でもIIJのほうがいいし、、というわけで悩みはつきないのであった。

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その昔私はこう書いた。

「iPhoneを日本で販売してくれれば、家族全員乗り換えるぞ」

その孫社長であるが、多分日本の携帯電話業には飽きたんだと思う。最近とんと姿をみせない。おそらくSprintとT-Mobileの件で忙しいのだろう。

記事中には具体的な情報はあまり含まれておらず――ただし、「ソフトバンクの孫正義が中心になってこの話を進めようとしている」という点は目を引く

via: ソフトバンクと米T-モバイル--異端児をトップに戴く「似たもの同士」? - ZDNet Japan

今やiPhone,iPadの発売は恒例行事となった。だからもうそんなところには顔を見せない。AT&TとVerizonが2強となっているアメリカで、また日本でやったような「3位からの逆転」を目指しているのだろう。しかし元気な人だ。ところでソーラーなんとかはどうしたんですか?

その手法にはいろいろ批判があっても、ついこないだまで「出版なのかなあ」というぼんやりしたイメージを持つだけだった企業が今や米国第3位のキャリアになろうとしている。こうした急成長にはいろいろな要素があるのだと思うが、それについてはまた別の機会に。