卵が先か鶏が先か-Dellの場合
2014-01-20 07:06
最近Dellでディスプレイを購入した。会社で使うものなので領収書を発行してもらわなくてはならない。まずチャットで問い合わせる。
すると相手の名前が「ジャン」となっている。あれ?いつからDellは中国でカスタマーサポートをするようになったんだ?
それまでに、Dellのサイトの酷さは身にしみていた。例えばトップページの検索窓に「領収書」と入れて検索キーを押すとこの画面が表示される。(ちなみに「領収書 発行」ではちゃんと結果を返してくる)Serverエラーか。しょうがない。というわけでチャットしてみたわけだ。そこで教えてもらったURLにアクセスして領収書発行の依頼を出す。期限はいつか。早めにFAXなどで領収書のコピーを貰うことはできないか。メールと電話で問い合わせた。メールに対しては私が不在の時に電話があり、メッセージが残っていただけ。電話では少しアクセントが違う女性が対応してくれた。
領収書発行部門と相談して、可能ならFAXします。FAX番号を教えて下さい。といって相手は電話を切ろうとする。ちょっと待ってください。それが不可能な場合はどうするんですか?電話します、と言われたが未だ電話はこない。
最近DELLが再び非公開企業になったという、ニュースは聞いていた。こんなことやってちゃなあと思ったが、中国にサポートセンターを移したのは、ずっと前だったのだな。
2003年に大連でテクニカルサポートを開始した当初も、その体制を生かすとともに、大連の拠点のスタッフが高い対応スキルを持ち、顧客満足度においても高い評価を得ていた。
だが、ある時期から、デルの顧客満足度が一気に落ち込むことになった。その要因の1つが、大連のジャパン・コンシューマ・カスタマーサービス部門にあったことは否定できない事実だ。
2004年頃から、デルは日本でのシェアを急速な勢いで拡大しはじめた。その勢いは加速度的であり、NEC、富士通に次いで、国内第3位のシェアを獲得した時期もあったほどだ。
via: 【大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」】デルは、なぜ中国・大連からサポートを行なうのか? ~大連のジャパン・コンシューマ・カスタマーサービスを初公開 - PC Watch
つまりDELLは日本のシェアを急拡大する直前におそらくはコストの安い中国にカスタマーサポートを移したことになる。前掲の記事にはいかにDELLが大連で立派にサポートセンターを運用しているかが「これでもか」と記述されているが、DELLのサイトに載っているこの言葉に対する言及はない。
お客様の声: テクニカルサポートは日本で対応してほしい!
⇒ 法人向けサービスはすべて国内のサポートセンターで対応
現在、法人としてご購入いただいた製品のサポートは
via: デルお客様満足度調査 | Dell 日本
100 %国内のサポートセンターで行っております。
つまるところ、個人としてDELLで買うのは避けた方が賢明、ということらしい。
そりゃ運用コストを下げようと思えば、中国にカスタマーサポートを移したほうがいい。それはある観点からすれば合理的で正しい判断なのだが、合理的で正しい判断を積み重ねていった結果、衰退することが多いのもこの世の事実だ。
一時は飛ぶ鳥を落とす勢いだったDELLは今やこのような状態。彼らが絶好調だったころに「DELLのやり方はすごい!」という記事をあれこれ読んでいた身であれば、別の会社が「このやり方はすごい」と持ち上げられても身構えてしまうのは避けられない。そして今絶好調の会社もいつかそうした運命を辿らないとは誰にもいえないのだ。