1月9日は何の日?
2014-01-09 06:35
2007年1月9日の朝、Appleのサイトに掲載されたiPhoneを見て私はこう思った
「これはドレッドノートだ」
その日は仕事が手につかなかった。あまりの衝撃に、呆然としながらその日プレゼンテーションのビデオを何度観たことだろう。
しかし周りは驚くほど冷静だった。インタフェースに詳しい人達は「タッチパネルで文字入力ができないことは立証されている」とか言って平然としている。だってあんな反応のタッチパネルを観た事があるか?Jobsのプレゼンをみただろう。指の動きに合わせてするする動いてるんだ。
なぜそんなに冷静でいられるのか?私が過剰反応しているのだろうか。しかしそれから7年たった今、衝撃を受けたのは私だけでなかったことを自信をもって語ることができる。GoogleでAndroid Phoneを開発していた人たちはどう考えたか。
By January 2007, they’d all worked sixty-to-eighty-hour weeks for fifteen months—some for more than two years—writing and testing code, negotiating software licenses, and flying all over the world to find the right parts, suppliers, and manufacturers. They had been working with prototypes for six months and had planned a launch by the end of the year . . . until Jobs took the stage to unveil the iPhone.
Chris DeSalvo’s reaction to the iPhone was immediate and visceral. “As a consumer I was blown away. I wanted one immediately. But as a Google engineer, I thought ‘We’re going to have to start over.’”
via: The Day Google Had to 'Start Over' on Android - Fred Vogelstein - The Atlantic
2007年の1月時点で、多くの者は週60-80時間労働を15ヶ月も続けていた。(何人かは2年間)コードを書き、テストし、ソフトウェア・ライセンス交渉に臨み、世界中飛び回って最適な部品、それにサプライヤーを探していた。プロトタイプは6ヶ月前に完成し、その年の終わりまでには製品を出荷する予定だった-JobsがiPhoneを披露するまでは。
Chiris DeSalvoのiPhoneに対する反応は素早く、そしてはっきりしていた。「一消費者としては、ぶっ飛ばされた思いだ。すぐにでも欲しい。しかしGoogleのエンジニアとしてはこう思った。”全部やり直し”だ。」
Googleのエンジニアは、iPhoneが意味するものをすぐに見てとったわけだが、全ての会社のエンジニアがそのように反応したわけではなかった。
At the time when the iPhone was launched, smartphone pioneers Nokia, Microsoft and Blackberry were all insistent that hardware keyboards and styluses were the way to go.
via: The iPhone forced Google to start over … or not, depending who you believe | 9to5Mac
iPhoneが発表されたとき、スマートフォンのパイオニア-Nokia,Microsoft,BlackBerry-は皆ハードウェアのキーボードと、スタイラスが有利だと主張した。
正直言えば私もそうではないか、と思っていた。だからiPhoneが登場してもBlackberryは独自の路線で生き残ると予想していた。私やNokia, Microsoft,そしてBlackberryは間違っていた。Googleはその点正しい判断をしたのだ。
ちなみに幾多存在した日本のケータイメーカーそれにキャリアも似たような反応だったように記憶している。一例を上げるが、こうした反応は当時とても多かったのだ。
Revolutionary Phoneと書いてありますが、どこらへんが、Revolutionaryなんだろう。サイトのプレゼンテーションを見る限りでは、全然わからない。これって、常にマイクとイヤホンで電話するんだろうか?そうでもなければ、通話中にいちいち画面みて、キャッチとるとかあほらし過ぎないか?
電話とるときは、どうするんだ?いちいち液晶みて、通話ボタンを押すのだろうか?
かつて、パイオニアの全面液晶携帯のトラウマがあるためだろうか。こいつのせいで車運転しながら何度、事故りそうになったことか。指でまさぐれるボタンがないというのは、壮絶に使い勝手が悪いのです。
パイオニアのヤツの頃って、10年ぐらい前で、メールがあったかどうか、iModeとかはなかった時代だけど、今の若い子がすごい勢いでテンキーで、iModeやメールを操り、文字を入力するのを見てるとタッチパネルの入力は全くナンセンスにしか思えなかったりするわけです。
via:blog.tokyoace4.com
あれから7年たった。というか7年しか経っていないのだ。この間の変化は驚くほどだったし、これからもその変化は続く。というわけで1月9日を”iPhone記念日”(仮称)とすることを提案したい。この日を境に、携帯電話、カーナビ、デジカメ、書籍、音楽プレーヤーは避けられない大きな変化にさらされる事になったのだ。