Apple原理主義者、Windows8に触る
2014-01-22 07:32
ここしばらく、表の仕事でWindows8.1上でC#のプログラムなど書いている。何故こんなことをしているかといえば、それはゴニョゴニョ。最初はApple原理主義者らしくMac上で開発を始めたのだが、いかんせんあれこれの問題がある。しかたない。私はApple原理主義者だが現実主義者でもあるのだ。
Windows8は巷であれこれ言われているようだが、良い所もある。特にctrl+alt+deleteを押す必要がなくなったのはいいと思う。あとは、、、いいところはあったかな。
プログラムを作る立場からすると、とにかくバリエーションが多いことに驚く。ネットでサンプルプログラムを探すと必ずC#とVisual Basic両方のコードが出てくる。そもそもWindows Applicationの作り方、という扉を開くキーワードはなんなのだ。ずいぶん探しまわった末、WPFというキーワードが必要なことがわかった。しかしそれは同じ文脈で使われることが多いWinFormと何が違うのだ。をを、これはやりたいことをやってくれるコードだと思ってよく見ればSilverlightだったり、Windows Phoneだったりする。よく似ているのだが、微妙に異なるところが鬱陶しい。
などとわけのわからないキーワードばかり並べられても困ると思うので、どんなユーザにも関係があるであろう、選択肢の多さを以下に引用する。
Windows 8.1 でWebをブラウズするためには、3つの方法が用意されている。
via: 【Windows 8.1ユーザーズ・ワークベンチ】ストアアプリのIEなんて存在しない - PC Watch
- Windowsストアアプリ
- 従来型デスクトップブラウザ
- 没入型デスクトップブラウザ
Webをブラウズするためになんで3つも方法があるんだ?このあともこの3つの違いについて述べる文章は延々と続くが正直読む気が起こらないし、使う気もおきない。
なぜこんな「選択肢だらけ」の環境になったしまったのか。これがMicrosoftの言う「妥協しない!」判断の結果なのだろう。
なぜ、ゼロから作り直さないのか。なぜ、デスクトップ機能をすべて外してMetro体験だけを出荷しないのか。なぜ、すべてをMetroに「変換」しないのか。「白紙」の議論は賛否両論よく知られています。われわれは、妥協なきデザインを作るアプローチを選択したのです。
そして、
via: マイクロソフトの「妥協しない」の解釈は、「妥協」の定義そのもの | TechCrunch JapanWindows 8は、今日あなたののPCが持つパワーと順応性をすべて備えながら、ユーザーをMetroスタイルの体験に没頭させます。みなさんが妥協する必要はありません。
彼らの「妥協しない!」はつまるところ「両方の選択肢を残しておく」ことではなく、「両方の選択肢を残しておき、かつその両方どちらも切り捨てられないようにする」ことのようだ。
かくして、Windowsは選択肢だらけの(つまり過去を捨てられない)環境になった。いや、もちろんMicrosoftはユーザの声にも真摯に耳を傾けている。
開封した時、PCにセットされていたのはWindows8だった。そのあと8.1にアップデートした。確かに「スタートメニュー」のようなものは追加されたのだが、その「やっつけ感」はすさまじい。まるでソフトの受託開発を請け負った会社が
「ご要望に応じて、スタートメニューをつけました!」
と言い訳するために作ったかのようだ。かくして各種設定をいじるのはどこをどうするんだったっけな、と何度もあちこち探しまわることになる。それどころか、電源の切り方さえ最初はわからなかった。HPがWindows8ではなくWindows7を推薦するのも頷ける。
HPは二股をかけているのだが、今のところはWindows 7機を推している。つまり、消費者にとって使いやすいマシンを量販し、サポート費用を抑えたいのだ。OEMの仕事をしている友人たちによると、今どきのパソコンは利幅がとても薄いので、サポートに足をすくわれると、その薄い利幅が消えてしまうのだ。
via: Windows 8が出てから早くも1年, 依然としてWindows 7を推すHPの真意は? | TechCrunch Japan
そりゃ、会社のPCをWindows8にしたいシステム管理者なんていないと思う。メリットは一つもなく、(失礼。ctrl+alt+deleteがあった)サポートのコストが急上昇するのは目に見えている。もっと具体的に言おう。私の母はwindows7を使っている。間違っても母にWindows8PCを買おうとは思わない。これならChromebookのほうがはるかにマシだ。
Microsoftは一体何がしたいのか。どこへ行こうとしているのか不安になるのは私だけではあるまい。誰がなるのか知らないけど、次のCEOは一体どうするんだろうね。