任天堂へのアドバイス

2014-02-06 19:21

任天堂が3期連続の赤字になったことで、「任天堂へのアドバイス」がネットにあふれている。「俺だったら任天堂の豊富な資源を利用してこうするのに」と誰もが思うらしい。

先日行われた任天堂の「経営方針説明会」は実に興味深い。まず岩田社長は「任天堂が今後も変えないこと」について話した。そもそも任天堂とはなんなのか。マリオやポケモンのIPを持っている会社、とは彼は考えていない。質疑応答ではこう答えている。

一方で、「世の中であれが儲かっているから任天堂もあれをするべきだ」ということを、たった2年ほど前にかなり多くの方がおっしゃっていましたが、今は誰もそのことをおっしゃらなくなったように、今日、「スマートデバイスのゲームをなぜつくらないんだ」とおっしゃっている方が、3年後に同じことをおっしゃっているかもしれないし、おっしゃっていないかもしれません。これに対して、「私たちは違う形で答えを出す努力をいたします」というのが私たちの中期展望の決意表明であると考えていただきたいと思います。

via: 2014年1月30日(木) 経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会 - 質疑応答


よそはあれで儲かっているから、と言われても「それは任天堂がやるべきことか」と考え、そうでないと判断すれば手をださない。無責任な「アナリスト」やら評論家やらと経営者はここが違うし、違わなくてはならない。2年前、この世の春を謳歌しこんなことを言っていた会社と人がいる。

DeNAの南場社長がCEDECの基調講演で「任天堂やソニーは、人間でいうと還暦を過ぎている」と挑戦状をたたきつけたそうだ

「日本で過去30年間に生まれた企業が、世界のリーダーに上り詰めたケースはまだないが、その歴史を変えていく」とも述べ、ゲーム業界のリーダーを目指す姿勢を見せたとのこと。

via: DeNAの社長曰く「任天堂やソニーは、人間でいうと還暦を過ぎている」 | スラッシュドット・ジャパン


でもって今日観たのがこのニュース。

ディー・エヌ・エー(DeNA)は2月5日、2014年3月期通期の業績(IFRS)は、営業利益が前期比31.0%減の530億円となる見通しだと発表した。国内「Mobage」でのソーシャルゲーム利用が、利益率の高い内製・協業タイトルを中心に低迷したことが主因。

via: DeNAの今期、営業益3割減に Mobageの内製・協業タイトル低迷 - ITmedia ニュース


というわけで社長業から逃げ出した南場君はどうでもいいから、岩田社長の「次の一手」に期待をしたいわけだ。それが売れるか売れないかは別として「なるほど。そう考えてきたか」と思えるような手がでることだけはあてにしてよいと思う。