神秘のAsiaの巨人達

2014-05-19 07:24

先日面白い記事を見つけた。主たるトピックは「イノベーションを起こす組織はどうあるべきか」というものであり、筆者の方には悪いがその結論自体にはあまり新しいところがない。

では何が面白いかというと、米国の「転職会議」みたいなサイトでのサムソンの評判だ。

There’s a web site called glassdoor.com that there lets workers review how their company treated them. Here’s how some Silicon Valley employees of Samsung (both current and previous) describe the work environment: 

·      The management and company culture are notorious bad. They exploit employee to contribute patents [created by the individual] to the company.

·      …this company discriminates against the non-Koreans of the workforce.

·      From HQ, the very hierarchical culture gives little respect and room of freedom to lower level engineers.

via: In the Stream — Featured Article: The Culture of Innovation in the Smart Phone Industry


さもありなん。(私はサムソンで働いたことはないけどね)という言葉が並んでいる。さらにおもしろいのはこの「感想」を引用した著者の次の言葉である。

I was struck by the above employee posts because my experience working for Lexus at Toyota Headquarters in Torrance, California was similar in some ways.

via: In the Stream — Featured Article: The Culture of Innovation in the Smart Phone Industry


この後に続く文章も面白いが、全部引用はしない。こちらも実に頷ける内容だ。(トヨタ様とは働いたことがあるから、こちらには少し自信をもってそう言える)

さらに興味深いのは

こうした「アジアの巨人の◯◯共」が少なくとも商売の面ではものすごく成功していることだ。

それがあるゆえ、トヨタもサムソンもおそらく今後数十年(あるいはソニーのようにそれが滅亡するまで)変化しないだろうと思う。なんだかんだ言っても彼らは儲かっている。それ故常に改善することはあっても、ドラスティックな改革は起こりようがない。

このブログでも「惑星トヨタ」の奇妙な風習、奇妙なロジックについては何度か言及した。太陽系第3惑星の上に住む人間からみると、他の惑星の風習というのは理解ができない。おそらく韓国でも「惑星サムソン」という表現を使う人もいるのではなかろうか。彼らのやることなすこと全て「イノベーションを殺す」ためにやっているとしか思えないことだ。少なくとも教科書に書いてある「イノベーションを起こす組織はこうでなくてはなりません」とは全て反対の事をやっている。

なのに

彼らはものすごく「成功」しているのだ。

これは一体どういうことだろう。

もっと言えばAppleも「自由闊達に意見を戦わせる」といったたぐいの「イノベーションを起こす組織はこうでなくてはなりません」とは違うように聞こえる事が多い。ではなぜ彼らは素晴らしい製品を作りだせるのか。こうした疑問に対する答えにはまだお目にかかったことがない。

私が「もう年寄りは会社に来るな」と言われるようになったら、そのことについて調べて本でも書くか。いや、生活を支えるためにすき家でバイトでもしているかもしれないが。