Open原理主義

2014-06-11 07:12

Apple原理主義者の私がいうから間違いない。世の中にはいろいろな原理主義者がおり、Apple原理主義者の仮想敵はOpen原理主義者である。

OpenなAndroidはClosedなiPhoneに勝つ!という主張は当初からあり、日本以外では見方によってはそうなっている、と主張もできる。皮肉なことに日本でそう主張していた人もたくさんいたのだが、結果は逆になっている。
私はこのOpen-Closed論争を聞く度、「太平洋戦争、日本はこうすれば勝てた」的な印象を持つことが多い。つまり発言している人がとてつもなく評論家的無責任な立場で語っているように思えるのだ。

 ただより高機能といわれるHTML5の採用が広まり、GPSなどの機能にアクセスできるオープンなAPIが普及していけば、モバイル・タッチ・ウェブでもかなりの機能を搭載できるようになるとみられている。このためアプリよりもブラウザベースのサービスが今後ますます主流になるだろう、というのがTaptuの予測だ。

via: iPhone対Android、勝つのはブラウザベースのサービス : TechWave

Open原理主義者と近い立場にいるのがHTML5原理主義者である。これからはHTML5の時代だ!ブラウザさえあればアプリはいらない!と何年前から言われていることだろう。おじさんはいい加減聞き飽きたよ。
なぜ今朝こんなことを言っているかといえば、こういう記事を見たからである。

 実際、Firefox OSの開発はものすごい速さで進んでいる。メンテナー(開発を取り仕切る役割の人間のこと)がさばき切れないほどのコードが毎日アップロードされている。これはオープン化の恩恵といえるだろう。しかし残念ながら、Firefox OSを取り巻く現状は上記の通りだ。そしてオープン化はいいが、我々一般ユーザーに何のメリットがあるのだろう? いや、むしろそのオープン化があだにもなり得る。

 現在、Firefox OSのマーケットプレースに登録されているアプリは数千だが、最近はマーケットプレースを通さない野良アプリが増えている。AndroidにはGoogle Play経由でないアプリをインストールするにはユーザーの同意が必要だが、今のところFirefox OSにはその仕組みがない。セキュリティ的にも無法地帯というわけだ。

via: Firefox OS端末が日本で年度内に発売されないであろう5つの理由 - ITmedia Mobile

 
オープン原理主義者も、HTML5原理主義者も、さらにはキャリア主導原理主義者も狂喜するはずのFirefox OSだが実態はこんなところらしい。ここに挙げた原理主義者の全てが「供給者側の視点」にたっており、ユーザからの視点を欠いていることに気をつけよう。

筆者自身はFirefox OSを応援する立場であることを明言しておく。まず手元で最新版が気軽にビルドできるのがいい。そしてすぐに実機で試せる。さらに国内のコミュニティも熱がこもってきている。

via: Firefox OS端末が日本で年度内に発売されないであろう5つの理由 - ITmedia Mobile

この「利点」は開発者視点から挙げられている。(そうした意味ではここで引用している文章はユーザ視点と開発者視点をきちんと切り分けた素晴らしいものだと思うが)そりゃ私だって開発者視点からすればAndroidのほうが好きだよ。なんでもできるもん。
はたして供給者原理主義の人たちは、消費者の心をつかむことができるだろうか?今まで示されている結果からすれば、それは全くの空論に終わる可能性が高いと思う。