異なるプラットフォームで何を共通にするのか
2014-07-17 07:32
表のブログにこういうことを書いた。
Windowsはこうした「共通化」について一番極端だったといえるかもしれません。あのタイル画面をPCでもモバイル機器でも「どん」と正面に据えたわけです。このようにApple/Google/Microsoftがそれぞれ異なる画面上で何を共通にし、何を個別にしたかの判断はなかなか興味深いものがあります。
via: Google I/O 2014 PC画面のデザイン/腕につけたディスプレイ上のデザイン - 株式会社ネクスト エンジニアBlog
今日書きたいのは、なぜMicorosoftがそういう馬鹿げたことをしたのか、だ。
最近MicrosoftのCEOがこういう文章を発表した。
We have the right capabilities to reinvent productivity and platforms for the mobile-first and cloud-first world.
via: Microsoft’s New CEO Needs An Editor | Monday Note
Microsoftは"Productivity"にフォーカスするという。ではProductivityとはなんだ?
いろいろな定義があるのだろうが、私は彼らの言うProductivityとは
「全てのデバイスにWIndowsが乗っている世界を効率的に実現する」
ことなのだと思い当たった。先日Microsoftのカンファレンスに行って気がついたことだが、やたらと
「この開発ツールを使えば、Windows Phone,Windows Desktop, Android,iOS全てに共通アプリを作ることができます!」
とやたらと強調していた。なるほどそれは偉大なことだ。しかし彼らはあまりにも「異なるプラットフォームに一発アプリ開発」を訴求しすぎる。そして異なるプラットフォームでは異なった操作方法が必要なのではないか、とかそういう考慮はしない。
同じ思想に基づいて彼らはあのMetro画面を全てのプラットフォームに共通とした。なぜならそのほうが「効率的にソフトウェアを開発できる」からだ。その結果については問わないらしい。
実際、前述の Thurrott 氏ソースでも、また業界きってのマイクロソフト番として知られる Mary Jo Foley 氏 (参考リンク先) がマイクロソフト筋から得た情報として伝えるところでも、マイクロソフト内部では Windows 8 を「Windows Vista 2.0」的な失敗作として認め、次のWindows Threshold ではできるだけWindows 8と距離を置くことで Windows 7からの乗り換え層の取り込みを狙っているとのこと。
via: マイクロソフト、次期Windows『Threshold』に新スタートメニューを導入。スタート画面を置き換え - Engadget Japanese
結果はこんなことになった。誰も「ソフトウェアの生産性向上万歳!」と叫んでくれなかったのだ。ぼんやりとだが、新生Microsoftの「生産性第一」ポリシーに私は漠然とした不安を感じる。先日ある会社に打ち合わせに行った。相手の会社からの出席者は(ちなみに私の会社もそうだが)全員Mac Bookを持ってきていた。誰が強制するわけでもない。普通の会社ではMicorosoft製品を使わなければならない。それはユーザにとってではなく、会社にとって「都合がよい」から。もちろんそれはMicrosoftの側からみれば「人々の生産性向上に寄与しています」ということになる。
しかし誰もMicrosoftは好きじゃない。Windowsマークをみる度に「うげっ」となるのは私だけではないと思う。仕事を思い出すからだ。これで彼らはやっていけるのだろうか。