社内アンケート

2014-08-21 06:51

今働いている会社ではあまりないが「社内アンケート」なるものが回ってくることがある。あるいは

「会社の改善に役立てたいと思います。忌憚のない意見を聞かせてください」

とかね。

長年サラリーマンをやっているとわかることだが、こういう「忌憚のない意見」は全部自分に戻ってくる。会社のなんかについて意見を述べれば「それは君の問題だろう。もっとできることがあるんじゃないか」と必ずなる。

ディルバートとか読むと別にこういうのは日本独自というわけではないらしい。しかしながらそこに日米の差を認めることもできるのかもしれない。

言い換えると、この文書には戦争のできるような戦略立案能力がはっきりあらわれているわけ。5万人くらい殺してもこういうメリットがある、というのをとりあえず考えられるという能力。そしていざとなったら実際にそれだけ殺すことも辞さない能力。効果があがらなければどこかでやめる判断力。そしてその殺したことに対して責任がとれる覚悟と能力。たかが一企業に、それだけのものがあるんだ。

 日本でも人が死ぬような判断は下される。いやむしろ、判断を下さないが故に人が死ぬ場合のほうが多いだろうね。あるいは、人が死ぬのは別に意図したことじゃなくて、ただの副作用だとか。そしてそこでは、人はいつまでたっても殺され続けて、それでもだれもなにもしようとしないで責任のがれに終始するだろう。そして事態は改善されずに終わる。

via: The Halloween Document: Japanese


こういう傾向は、やはりあるのだろう。「人が死ぬのはただの副作用」とはユニクロやワタミやゼンショーが繰り返し述べていることだ。

前になんかのシンポジウムでも感じた事だが、日本の学校とかお役所は「あたり障りのないことを滔々と述べる」ことができる人間が上に立つ。逆に言えば、上にたつ人間は明確な意図を示してはいけないのだ。なぜこうなるのかは私にはよくわからない。

話を戻そう。「アンケート結果」を社員に投げ返す、というのは「責任逃れ」と「事態が改善されない」ことの説明になる。つまり「何も決断しない」トップが悪いわけがない、というロジックだ。そりゃ確かにそうだわな。