白鳥の湖

2014-09-08 07:05

いろいろ理由があって、マシューボーン版白鳥の湖を見てきた。

白鳥が全て男性である。話も全く異なる。なのに音楽は同一で違和感がない。そもそも台詞が全くない(ハッとかいうかけ声はあるが)のにちゃんとストーリー、感情が伝わる。

こうした「舞台芸術」を見ると、自分の想像力の無さを痛感する事が多い。いつかドン・ジョバンニをみたときは「枠」だけがあるのにちゃんと家のように見えることに驚いた。あるいはその「枠」が紐で作られているのでどんどん形を変えるところとか。

舞台芸術の演出方法を見ていると、より自由であるはずの「ソフトウェアで作られたインタフェース」の発想の貧困さが感じられる。もちろんiOS上で動き、使う側の想像力を刺激してやまないインタフェースはいくつもあるのだが、あの舞台芸術を見た後では

「今の10倍くらいはあってもいいのではないか」

と思う。もちろんこんな事を言っていられるのも、今比較的制約が少ない状況でアプリを開発していられるからに他ならない。「製造請け負い」でやるなら「UIは全てiOS標準品を使い、ガイドラインに厳密に乗っ取ってやりましょう!」と力強く宣言する。その方がリスクが少ないからだ。

かくしてどうしようもない日本映画のようなものができあがる。しかし請負ならそれでやるだろうな。