AppleはもはやCoolな企業ではない
2014-10-22 07:13
聞いた話なのだが、ジャーナリストの中には「Appleを貶めたい」という強烈な願望を持っている人たちがいるのだそうな。そういう人にとってはiOS8.0.1のトラブルとか、iPhonet6が曲がるとかいうニュースはまさに感涙ものなのだろう。
そういう「事件」がなくてもネタはいくつも作ることができる。
Samsung Electronics Co. 005930.SE -2.08% is succeeding where other technology companies have tried and failed: closing the coolness gap with Apple Inc.
適当な訳:サムソンは他の企業が試みながらも失敗した分野で成功を収めつつある。AppleのCoolさに追いつきつつあるのだ。
この記事が書かれたのは2013年1月である。さて今は2014年10月。サムソンは「不調」が伝えられ、Appleはまたしても記録破りの決算を報告した。かくしてWSJはこうからかわれることになる。
So it’s not that the WSJ was wrong. It’s the story that was wrong. Even though the WSJ wrote and drove the story. Got it.
世の中には「評論家」とか「ジャーナリスト」とか称する人たちがおり、彼らと彼女たちには独自の倫理観が存在する。もちろんウォーターゲート事件を追い続けた二人のように文字通りジャーナリストの真髄を極めた人がいる一方(何事もそうだが)そうでない人はその何十倍もいる。
ヘボなそうした人たちが生き残る一つの方法に「とりあえず逆張り」というのがあるのだろう。今好調なものをとりあえずけなす。盛者必衰の理と言われるがごとく、それはいつか的中する。的中しなくてもいくらか耳目を集めることができるし、それが彼らと彼女たちの目的なのだと思う。
私は時々こう考える。歴史に名を残す評論家は滅多にいない、と。彼らと彼女たちはせいぜいが「成功者のドキュメンタリー」で顔のない役としてでるのが関の山だ。
私も世間の注目を集めるためにそういう「刺激的な」題名の文章でも書いてみようか。
「Appleが日本の家電メーカーに跪く日」
いやー20年前だったらこれ冗談じゃなかったんだけどね。