老いと権力と

2014-10-27 07:06

先週の土曜日某カンファレンスに出席した。マルチトラックで、いろいろな人が講演をする。そのうちの一人が某大学の教授だった。

私も名前を知っている有名な人で日本におけるデータベース業界の「重鎮」である。そのカンファレンスのサイトに行くと、一番左側にその人の顔写真が出てくる。おそらく「来賓」扱いなのだと思う。

さて、当日の講演スケジュールはだいたい0分から話し始め、30分くらいで終わり、15分質疑応答。15分の休憩がはいるといったものだった。私はその次の講演を聞く必要があったので、30分ごろ講演会場に入っていった。もう話し終わっているだろうと思ったら、講演の題名と関係ない話をしている。なんだこれは?

本来の講演終了時間の45分を過ぎた頃になってようやく「本題」に入り始めた。スライドが見えないから明かりを消せとか何かいいながら話し続けるが内容は全くわからない。私の知識が足りないせいだと思う。

次の講演を聞きたい人がどんどん入室してくる。その頃になって「権威」はようやく状況を理解し始めたらしい。全トラック英語でしゃべるのだが、いきなり日本語で「ここらへんで残り時間を教えてくれるはずなのですが、何もないんで適当にしゃべってるんですが」と言い出す。自分が何分喋るかも知らずに「適当に」しゃべっていたわけか。彼のような「権威」にとって「こんな場」での講演は「まあ適当に喋っておけばいい」というものなのだろう。

翌日子供達とNHK大河ドラマ軍師官兵衛を見る。豊臣となった秀吉が老い、傲慢になり老醜をさらしている。周りは佞臣ばかりだから諌める人もない。人間(主観的な)権力と老いが重なるとこれほどまでに醜い姿をさらして平気でいられるものか。それを演じる竹中直人の力量に感心する。教授もひょっとしたら私の知らない理由により聴衆に何かを伝えようとしていたのかもしれない。