Fake Business
2014-11-28 07:01
素人がこういうデモに歓喜するのはわかる。そうだからメディアも取り上げる。
ユカイ工学はPepperに対応するソリューションとして「マホウノツエ」を公開した。赤外線通信機能を備えたマホウノツエをPepperが手に持ち、Pepperがテレビやエアコンを魔法でコントロールしているかのような光景を作り出した。
「魔法」をイメージしたというデバイス、ログバーのRingもPepperのためのUIとして活用可能だ。会場で見せたビデオでは、Ringのを付けた指の動き、つまりジェスチャーによりPepperを呼ぶ様子や、今日の予定をPepperに聞く様子が描かれていた。
こう考えるべきなのだと思う。私がメディアを運営していて、広告を募集するとする。うちのサイトに広告をだしていただければ、これだけの人が見てくれます、とやるためにはとにかく人目を集めなくてはならない。
であれば、とにかく「ウケル」記事を載せよう。というわけで
「メリケンサック」
のRingとロボットのPepperを組み合わせる。
そしてプロならばこれに
「近未来のUI」
という題名を付ける。世の中金だ。金を得なくては話が先に進まない。
私も仕事ならそうするだろう。そしてエンジニアとしての私は血涙を流す。こんなのは「近未来」ではない。過去10年以上にわたって何度も何度も語られては霧消する。米国のダイエット食品のCMでこういうのがあった。
「本当の狂気ってなんだか知っている?同じことを何度も何度も何度も繰り返すことだ」
CMでは「だからあんたのダイエット方法はまちがっている」と続くわけだが、こうしたMonkey Demo(今作りました)もその類である。
メリケンサックを指輪と偽り金を集める人間をメディアが称揚し続ける。私はTechcrunchの記事を愛読しているがTech crunch Japanのやることには嫌悪感を禁じ得ない。じゃあお前がやってみろ、と言われたら同じようなことをするしかないのだけどね。(しかもずっと下手にやると思う)