HMDの運命
2014-11-19 07:02
GoogleがGlassを発表する前、HMDはある程度の生存空間を見つけていた。最初は誰もが「これはエンターテイメントに向く」と考えたのだが、結局市場は「業務用」に存在していた。手がふさがった状態でもどうしても画面を確認したい。そうした用途にHMDは向いていたのだ。
そこでGoogleがGlassを発表した。巨人が再びサイコロを振ったのだ。そして出た目は同じだったようだ。
私の予言は、Glassがこの時代のSegwayになることだった。大変革をもたらすと喧伝されながら、倉庫で働く人とショッピングモールを巡回する警察官しか使わかった乗り物だ。実際、Glassはこの監視の時代と完璧なペアをなすかもしれない。
この「何度も繰り返された失敗」を笑うことは簡単だ。しかし笑っているだけではなんの進歩もない。今回の失敗から、次に
「人間の顔にディスプレイをつけよう」
とする人間は何かを学べるはずだと思う。世の中には他人の失敗から何も学ばない人間が溢れている。
それを持ち上げ続けるメディアも存在する。しかしそうではなく着実に歩を進めてくれる人もいるはずだし、そういう人にとってGoogle Glassの「失敗」はとても意味のあるものだったのではないか。
またHMDは「業務用」に戻るのだろう。少なくともしばらくの間は。次の挑戦はいつ誰がどんな形で行うのだろうか。