Webの延長アプリの作り方
2014-11-06 06:52
最近明白になってきたことだが、WebとアプリのUIというのは根本からして違う。WebのUIの進化はまあ牛歩の如くである。いつまでたってもおなじようなことをしている。
それに対してアプリのUIは新しいアイディアがどんどんうまれ、そのなかの良いものが広まっていく。こういう力学の差を考えないで講演をするとこういうことになる。
この初期コンセプトも、ドキュメントをしっかり書くといった重厚なプロセスでやっているとフィードバックを素早く反映できない。
実際にどうやっているかというと、紙に書く。引用元:伊藤直也氏が語る、モバイルアプリケーション開発のいまとこれから(前編)~Salesforce Developer Conference Tokyo 2013 - Publickey
まず「スタートアップはUIに力をいれている」は正しい。しかし次の「紙に書く」は間違っている。それは2009年ごろまでのやり方だ。
動きのデザインを行うためには、紙では全く不十分。そのためにFacebookはOrigamiを作った、、という話を伊藤氏は全く知らないのだろうか?さらにはこの「間違い」
それよりも近道は、UIKit Frameworkを普通に使うこと。UIKitというのは素直に使うとiOSらしいものになるようにできています。
引用元:伊藤直也氏が語る、モバイルアプリケーション開発のいまとこれから(前編)~Salesforce Developer Conference Tokyo 2013 - Publickey
これは一つの「正しいやり方」ではある。私も受託開発ならこういうことを声高に主張する。iOSの標準のやり方が一番!ユーザも戸惑いません(そして開発のリスクが低減できます)
しかし
伊藤氏の言葉の問題点は、彼が挙げた「UI開発に力をいれたアプリ」が標準的なUIKit Frameworkの使い方をしていない点にある。左下にある+のメニューボタンなんて全く標準的なものではない。
しかし
こうした「新しい試み」にたいして皆がよいと思うと誰かがフリーで公開してくれる。さらに広まるといつかAppleがiOSに取り入れる。たしかPull to refreshもそういう経緯をたどっている。
元々は Tweetie という Twitter クライアントで最初に搭載されました。Tweetie は Twitter for iPhone(公式アプリ)の前身です。
Twitter のタイムラインは上に行くほど最新なので、上端でさらに引っ張って更新する操作は自然そのもの。この操作のスマートさが流行り、iOS アプリに数多くのフォロワーを生み、取り入れられました。引用元:縦長になって引っ張りやすくなった iPhone 5 で、色んな「引っ張って更新」を比べてみよう! (フェンリル | デベロッパーズブログ)
つまり「UIに力を入れているスタートアップ」は決して「iOS標準の画面部品」ばかり使ってアプリを作ってなどいない。彼らは常に「こっちのほうがいい」と新しい提案をしている。Facebookなんかそれようのアニメーションエンジンから画面表示エンジンまで作って公開している。
だからこの伊藤氏の講演は実に「ああ、Webばかりやってた人がアプリを語るとこうなるのね」というものだ。そりゃWebだとUIの自由度が少ないからみな同じようなことしかできないけど、アプリの世界はどんどん変化しているのだよ。