企業のDNAというもの
2014-12-08 07:03
面白いことだが、企業にはそれぞれのDNAというものがある。前に何かで書いたが、脳の障害により感情が抑圧された人は
「こういうこともできる。こういうこともできる」
と合理的な推論を重ねるばかりで、決断できず、結局何も行動できないという。つまり結局のところ企業がどちらに決断するかは「感情」と「その企業の常識」によるのだ。
先日こんな記事を読んだ。
ニューデリーで滞在したホテルの従業員に、自分はサンフランシスコ・ベイエリアから来た、と言ったところ、従業員は「おお、世界の中心ですね」と答えた。どうしてそう思うのか、と尋ねると、「世界の中心とは、新しいアイデアに反対しない場所のことだから」と言った。
ベイ・エリアは企業ではないが「新しいアイディアに反対しない」ことがDNAに刻まれているのは間違い無いだろう。その対極にあるのが、日本の大企業である。彼らと彼女たちは(上から命令されたことは除き)新しいこと、前例のないことにはなんでも反対する。これは彼らのDNAに深く刻まれているのだと思う。
でもってこの記事。
FacebookやGoogleといった企業は、創業から時間が経っても、絶えずイノベーションを起こし続けています。大企業による新規事業立ち上げのためのスキルは、まだまだ未開拓な分野なんです。
コンサルタントファームとしては資金力の豊かな大企業から仕事をもらわねばならぬ。であれば、間違っても
「大企業にイノベーションなんて無理無理」
ということはできない。「まだ未開拓な分野です。だからあなたにもできます!仕事ください!」というわけ。
しかし問題は大企業というだけでFacebook,Googleとたとえばシャープ、パナソニックを十把一絡げにしてしまっている点だ。
連続的に破壊的イノベーションを起こしたソニーの秘密は、盛田氏とその側近という限られた人材にあった。それはおそらくソニーのDNAとは反するものだったのだ。彼らが去った後ソニーは「並以下」の企業になった。ここらへんの力学に関する興味はつきない。Facebook,Googleが大企業になってもイノベーションを起こし続けることができ、ソニーにできなかったのはなぜなんだろうね。創業者がまだ生きているからか?ではAppleはどうなるのだろう。