顧客を選ぶこと

2014-12-16 07:36

考えてみれば、金を稼ごうと思えば顧客と付き合わなくてはならない。(その顧客が「上司」と呼ばれていてもだ)そして多くの場合顧客を選ぶことはできない。

だからこの経験は「例外」として読み捨てるべきなのだと思う。そう理性は命じるのだが、同感するのは確かである。

「コンサルティングの仕事をしていたとき、ある考えにとりつかれました。一生懸命仕事をしていたのですが、『何故自分はクライアントのために仕事をするのだろうか? これはいちクライアントにすぎず、自分はこのクライアントが好きになれない。仕事がしにくいのではなく、どうしようもない彼らの価値観にガマンできないのだ』と。彼らに調子を合わせて、責任を — 名誉ある責任をです — 放棄しているように感じました。ところが一方、アップルは大好きになったのです。それが 1992 年に私に起きたことでした。」

引用元:マックに出会ってアップルで働くようになったきっかけ:Jony Ive | maclalala2

先日ある友達が言っていた。

「自分が仕事で手がけているソフトウェアが”こんなものなんの役に立つんだ”と考えてしまう」

そう考えないほうが仕事の口はたくさん見つかる。それは確かだ。Jony IveもAppleと出会わなければ、「腕はいいが文句ばかり言っているデザイナー」として一生を終えていたかもしれない。

受託開発をやっていると、一番大事なのは「検収印を押してもらうこと」になることが多い。少なくとも私はそうだ。しかしそうやっていると自分の一部がだんだん窒息し始める。これも否定しがたい。