監督の力
2014-12-03 07:18
Star Wars Episode 1を見たときの失望感は今でも覚えている。「へ?これだけ?」とあっけにとられた。
惰性というかお約束なので、Episode2,3も見たが内容はほとんど頭にのこっちゃいない。ダースモールっていったいなんだったんだろうね。
ジョージルーカスも老いたか、と思ったが彼はまだ「自ら身を引く」だけの理性は持っていたようだ。残る3部作のうち7が作られるという。私にとっては「当たり外れのある監督」であるJJエイブラムスが監督。Super 8はエルファニング以外だめだったが、Star Trekはよかったからどうだろう、と思っていたところ予告編が公開された。
一見してルーカスとのあまりの差異に驚いた。でてくる要素はおなじみのものなのに画面から伝わる緊張感が全く異なる。このコミックと全く同意見だ。
引用元:The joy of tech
この二人の監督の差異は、いかに示す「もしルーカスが作っていたらどうなっていたか」というパロディビデオをみるとはっきりする。
まず冒頭のシーン。エイブラムス版では何もない砂漠が映し出されこちらは自然と「きっと砂漠に何かがあるのだ」と思い緊張する。画面中央を注視していると、いきなり思いもしなかった近距離の下方から人物が現れる。
ところが「ルーカス版」では砂漠に関係のないいろいろなキャラクターがのんびり歩いている。実際Episode1-3はこういうシーンの連続だった。ルーカス及びCG制作会社は儲かったと思うが緊張感のかけらもない。
そう考えるとエイブラムスは画面に映し出す要素を徹底的に削除し、カメラの位置と方向を大胆に設定することにより平板なルーカスの映画から決別していることがわかる。
こういうのは映画に詳しい人には常識なのかもしれないが、対比によりEpisode1-3の退屈さが納得できとても面白かった。
というわけであれですよ。プレゼンとかアプリのUIにも同じ考えが適用できるのではなかろうか。平板に「あったほうがよい要素」をならべちゃだめなんですよ。要素を削除し
「必要なのはこれだ」
と言い切る勇気をもたないと。