正直者なんかいないんだから

2015-02-23 07:00

というのは子供の理屈である。一見筋が通ったようなことをいいながらなんの判断も行動もしていない。

大人というのは「正直者などいない。ではどうするか」と決断し、行動する人のことである。なぜいきなりこんなことを言い出したかといえば、このニュース。

ユーザーやセキュリティ研究者からの指摘を受けたレノボ側は、購入者に不評だったため1月の時点でサーバ側を止めすでにSuperfishは動作していないこと、またユーザーのウェブ閲覧履歴は保存していなかった、個人を識別して追跡やターゲット広告などに使っていなっかたと釈明しています。

しかしこれは『隠しカメラとマイクは仕掛けたけれど、こちら側のモニタはもう撤去しました。覗いた映像も広告に使ったあとは消しているから信用してください』というようなもので、悪用可能な穴がなければそもそも信頼するしないを考える余地もありません。

引用元:レノボ、危険アドウェアSuperfishの自動削除ツールを公開。証明書も削除 - Engadget Japanese

こういうニュースがながれるたび「いや、どの会社だって似たようなことはやっている」という主張を見かける。そういう人はLenovoでもなんでも使えばよい。

前にも書いたことだが、結局これは「その会社が何をCoolと考えるか」という価値観の問題だと思う。ユーザのブラウザ操作に割り込み勝手に広告を出すことで収益を上げることをCoolだと思うか、思わないのか。

こうした「何をCoolと考えるか」は企業の根底に関することであり、なかなか変更が難しい。情報が少ないなか判断しろと言われたら私は韓国と中国の企業についてはより慎重になる。現に怪しげな回答を繰り返しているLINEのような企業に関しては特にそうだ。

今回の判断で唯一好感がもてるのは

しかしながら、セキュリティ面での潜在的な脆弱性については昨日まで認識しておらず、この点について深くお詫びいたします。

引用元:レノボ、危険アドウェアSuperfishの自動削除ツールを公開。証明書も削除 - Engadget Japanese

この無知を素直に認める態度。「どう考えてもそれはわざとやっているだろう」という「瑕疵」を言い張り続ける日本のベンチャーや、中国企業に比べればはるかにマシである。

とはいえ、どちらにしても怪しげなIMEや検索エンジン、チャットアプリにWindowsを使う気はさらさら起きない。どの企業にも馬鹿者はおり、それが恐ろしい結果を巻き起こすことはあり得る。しかしAppleがこうした行為をCoolと考えないことに関しては信頼してもよいと思う。