SONYのDNA
2015-03-17 06:51
もう批判する価値すらないと思ったSONYだが、どうしてこう次から次へと楽しいことをやってくれるのか。正確に言えばSONYではなく、ついこないだまでSONYだったVAIOだが。
「VAIO Phone」の発表後、Twitter上には「ELUGA U2にVAIOのシール貼っただけ」、「中身がELUGAで外がVAIOだ。PanaSONYが誕生」、「色が違うだけ」など、「ELUGA U2とVAIO Phoneが似ている」という主旨のツイートがかなりの数書き込まれていた。
「ELUGA U2」はパナソニックが台湾で販売しているSIMフリーAndroidスマートフォン。「VAIO Phone」と比較すると、CPUや内蔵メモリ、ストレージ、カメラの画素数など共通している部分も多い。サイズ/重量に至っては全く同一の数値となっている。
また価格は、「VAIO Phone」が一括購入価格税別51,000円なのに対し、「ELUGA U2」は7,900台湾ドル、日本円にして約31,600円と2万円ほど安い。これについてもTwitterでは、「ロゴ張り替えただけで2万高いのか」、「ロゴが2万ってことだな」など、揶揄するツイートが多数投稿されている。
日本通信に、「ELUGA U2」と似ているということについて問い合わせると、「(ELUGA U2)をベースにしたわけではない。たまたまだと思う」と疑惑を完全否定した。引用元:日本通信「VAIO PhoneとELUGA U2がスペックもデザインも寸法も似ているのはたまたまだと思う」 : ガジェット2ch
要約すれば
新生VAIOが日本通信と組んでVAIO Phoneを発表!
値段5万円!高い!
あれ、これPanasonicが海外で発売しているスマホと似てね?しかもそのスマホ3万ちょっとで売ってるよ?
差額についてはもうすでにネタバレしているので、ここでは書かない。消費者を舐めきった姑息な「値引き」を実現するための「5万円」ということであり、3大キャリアのわけのわからない値付けとかわらない。
裏の事情を想像すれば
日本通信:ちょっとインパクトのあるスマホを出したい。VAIOさん。どうですか。名前とロゴだけ貸してください。
VAIO:そうだなあ、まあリスク0だし、ロゴの使用料もらえるらしいしやってみるか。じゃあ表向きにはデザインだけ担当したことにして。
とかまあそんなことだと思う。世の中には他社の製品をOEMとか称して売る例はたくさんあるから、まあこれくらいは問題ないよね、と思ったのだろう。
こうした判断はサラリーマンとして全く非の打ち所のないものである。つまり会社の都合だけを考えれば正しいのだが、「それをユーザがどう見るか」という視点が完全に欠落している。
ひと昔前のAppleは他の会社が出したCDドライブ兼プレーヤーにロゴだけつけて売るようなことをしていた。それは過去のAppleであり、今はこう心から信じる人間がVPになっている。
ほんとに心から信じるのですが、ひとびとは思いやり(care)を感じることができると思います。同じように思いやりの欠如(carelessness)も感じることができるのです。これはお互いが相手に対して抱く敬意のことです。まったく思いやりに欠けたものを私に買わせるとしたら、それは私個人に対する侮辱だと受け取るでしょう。文化的文脈でもこれは侮辱的です。なぜなら同胞を軽視することになるからです。私たちが常に正しいといっているのではありません。少なくとも私たちは心から思いやろうと意図しているということなのです
いつの日かSONY、そしてVAIOもそのような「転換」を達成するかもしれない。しかし少なくとも今の彼らは「自分たちの都合」ばかり考え、それをユーザがどう見るかという想像力を持ち合わせないようだ。