いよっ、社長さん!

2015-03-27 06:47

最近痛感するのだが、出世とか社長になる、というのは頭の良さとか人徳とかは全く関係がないのだな。というか人徳とか理性的な判断いう面ではある程度逆相関にあるのではないかと思える節がある。そりゃ物事を慎重に考え、理性的な判断をすれば起業しない場合のほうが多かろう。

というわけで、「3万円のスマホにVAIOのロゴ貼るだけで5万円」に関する日本通信の社長の弁である。

アップルはブランディングの会社だ。通信業界でもiPhoneはブランド力だけでユーザーから10万円近くとっている。そうでしょ? 何か差別化できているの? 

 福田(尚久副社長。かつてアップル本社で副社長を務めた)に聞いたけど、初代iMacも中身はベーシックな安いコンピュータだった。よりとがった、ニッチな製品を求める声も多い中で、カラフルな筐体にしてブランドを幅広いユーザーに広げていった。当初は「アップルにこんな製品を求めてない」などと酷評されたが、結局は機能ではなく、ポジショニングで大成功したわけだ。iPodも値段を高く設定して、洗練されたデザインで、ブランド戦略によってヒットした製品だ。

 今回は、パソコンのVAIOのブランドを通信業界に紹介したということ。5万1000円の価格も、ブランドとして決して恥ずかしい価格ではない。まともな価格だと思っている。

引用元:「VAIOフォンと初代iMac、戦略は同じだ」 (東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース

こういうことを堂々と公言できる程度の神経と知性でなければ、新しい会社の社長などとても務まらないのだろう。おまけに

「こんなバカな社長のところから製品なんか買うか」

と思うような人間はごく少数。というわけでおそらくツッコミを入れるのは野暮というもの。しかし長年のApple原理主義者としては、こういう写真を作ってみたくもなる。

iMac

日本通信-Appleが作り出した初代iMac

一時のAppleがこれに近いことをやっていたのは認めるが、初代iMacはこんな製品ではなかったよ。これをやれば、林檎マークのブランド価値がなくなるだけ。というかこの社長さん、ブランドで金が取れる、という考えは正しいのだが

「ブランドの価値」

がどうやって生まれるかについては全く考えていないのだな。まあ地に落ちるのは他社のブランド価値だから日本通信にとっては痛くもかゆくもない。つまるところは

「新生VAIO」の愚かさが明らかになっただけ

ということか。