People will know

2015-04-28 07:21

Appleが異常なほどデザインの細部にこだわることはよく知られている。最近ではそれは「成功の秘訣」として語られることが多いが、Appleが不調だった時期は(そんな時期があったんですよ)「Steve Jobsの馬鹿げた行動」の例として挙げられていた。

だから古参のApple原理主義者としてはその是非について慎重に判断を差し控える。今日はただサムソンとAppleの製品を並べて引用しよう。

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サムスンの新型ノートPCであるAtiv Book 9を見れば、そのことは明白だ。Ativ Book 9の重量はMacBookと同じで、同様に12インチの高解像度スクリーンとIntelのCore Mプロセッサを備えるが、2基のフルサイズUSBポートと1基のmicro-HDMI出力端子を搭載している

引用元:新しい「MacBook」レビュー(第1回)--スペックと新機能から見た使い勝手 - (page 3) - CNET Japan

スペック的に見れば、サムソンのほうが明らかに「勝って」いる。CPU,Displayは同等で重量も同じなのにはるかに豊富な入出力インタフェースを持っているから(ただし値段は$100高い)

しかし

この「差異」はなんなのか?この二つを並べたとき、サムソンのそれはまで「20年前のガラクタ」のように見える。べたべたと貼られたシール、ぱっとしない質感、しまりのない体。まるで我と我が身を見るようではないか(しくしくしく)

ではサムソンがプライドを捨ててか本性に立ち戻ってかしらないがiPhone6をコピーしたTu-4ことGalaxy6をみてみよう。

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引用元:iMore

エンジニア的観点からすれば「なんでそうまでして中心線を合わせなくちゃならないんだ?」といいたくもなる。内部構造を最適化すれば中心線が合うわけがない。ムリにそうすれば、コストは上昇するに決まっている。

しかし私のような素人でも、ひきしまったiPhone6の底面と、漫然とし、しまりのないGalaxy6の底面の差は感じ取れる。こうした

「取るにたらない些細なこと」

の積み重ねがMac BookとAtiv Book 9になる、、、のかもしれないしそうではないのかもしれない。

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このAtiv Book 9とMacBookを並べた写真は、全ての製品、サービスを設計する人間が心に留めておくべきだ。ほとんどの企業は抽象化、客観化、定量化が可能な指標によって物事を判断する。ならば間違いなくAtiv Book 9が「勝って」おり「売れる」はずだ、と。

そうした判断は哀れなほど間違っている。しかしわからない人間には永遠にわからないだろうし、そういう人間が意思決定をしている組織は「商品力」で商売をするべきではない。大丈夫。企業が存続していく方法はいくつもある。営業力、人脈、コネ、寡占状況の継続、、ただ「商品力」で勝てると思わないほうがいいだけだ。