Bestの製品とマーケティング

2015-04-27 07:11

割と最近知ったのだが、マーケティングという言葉がある。この言葉の定義自体かなりあやふやなのだが「売り方」の工夫と理解している。

であれば、広報戦略もマーケティングに含まれるわけだ。かくしてマーケティング担当者は奮闘する。Sonyのマーケティング担当VPが新しい007映画で007にSONYのスマートフォンを持たせるように交渉したのだそうな。値段は18億で、それに加えてダニエル・クレイグに5億払う、と。

結果はこうだった。

"BEYOND the $$ factor, there is, as you may know, a CREATIVE factor whereby Sam and Daniel don’t like the Sony phone for the film (the thinking, subjectively/objectively is that James Bond only uses the 'best,' and in their minds, the Sony phone is not the 'best')."

引用元:Daniel Craig turned down $5 million because James Bond wouldn't use a Sony phone

ジェームス・ボンドはBestの製品しか使わない。だからThe best ではないSony製品は使えない、と。

こういっておいて次の映画でクレイグがサムソン製のスマホを手にしていたら世界中の笑いものになるわけだが、それはサムソンマーケティング担当の偉大な勝利ということになるのだろうか。

いずれせよこうしたマーケティングの努力とその結果がどうなろうと例えばこの一枚の写真が全てをぶち壊しにすることもある。

LGとApple watch

Apple WatchとLG G Watchの比較。比較するのが申し訳ないぐらいLG G Watchがオモチャに見える。

引用元:ほんわかさんはTwitterを使っています"

市場調査をして売れ線を確認して、分析してそれにあった製品を作る。これは美しい方法だが、必ずしもBestの製品を生むものではない。かといってユーザの声を無視して失敗したBestの製品も枚挙にいとまがない。かくして結論は「結局人次第」という当たり前のところに落ち着くのであった。現実を理解しつつ無視する。このさじ加減を表す便利な言葉はまだ発明されていないように思う。