優秀な学生さんが行く先は

2015-04-08 06:57

以前働いていた会社は某大の裏にあった。学生課にアルバイト募集の張り紙を出すといろいろな人が来た。

その中になぜか経済学部に合格したのだが、高校時代からものすごいプログラムの実績を持つ人がいた。

しかし外観はおっとりした学生さん。おまけに日本の大企業の人事とかおじさんが好きそうな

「ハキハキして、学生時代いろんなイベントを主催して、宴会ではおじさんを立てまくって、10年間は泥のように働いても文句ひとつ言わない」

といったようなところはみじんもない。彼に仕事を頼むと「はあ」といった感じで去っていく。本当にわかっているのだろうかと思っていると予想の1/3くらいの期間で「できました」といって持ってくる。しかも見事なプログラムを。そんな調子で会社のアルバイトとしてもものすごい力を発揮してくれた。例えて言えば三国志の関羽とか張飛とか張遼とかそのクラスの力を持っている。プログラムの力を武力に変換するとすればだが。

彼はどこに行くのだろう。日本の大企業では彼の力の1%も評価できまい。そんないらぬ心配をしていた。

先日某G社のプレスリリースで彼の名前を見た。

やっぱりなあと思うとともに彼のためを思い少しほっとした。同時に愛する我が国の行く末を考えると少しくらい気持ちにもなる。

面白い話は複数あったけれど、中でもとりわけ印象に残ったのは、G社のKDTKさんのとある場での質問。

この質問が、技術的な言葉で語られながら、言語処理の研究プログラムにおいて今や自明のものとされているいくつかのことに対して改めてその意味を問い直すようなもので、まあ、群を抜いてすばらしかったわけです。

で、その質問自体をきちんと考える、ということの他に、そのような質問が(大学にいる人からではなく)G社にいる人から出たというところは、もう少しメタな問題としてとりわけ大学関係者はきちんと考えなくてはいけないことだと思います。

引用元:影浦峡 - 研究ブログ - researchmap

こうした問題は今に始まったことではないが。