専用カーナビの運命
2015-07-28 07:32
WWDC2015に行ったのはもうだいぶ前のことになったが、まだ一つ書き忘れいていたことがあった。
前にデンソー様の元でカーナビの仕事をさせていただいたことは何度か述べた。カーナビのOS(と呼べるかどうかもわからないが)とiOSを比べると横穴式住居と2020年には出来上がるであろう新国立競技場ほどの差があることも書いた。
思うにこれは「組み込みソフトウェア」と「PC用ソフトウェア」という二つの異なるソフトウェアに根っこをもっているところからきているのかもしれない。トヨタ様が作られているエンジン制御のソフトウェアは、凄まじいことになっているらしいが、こういう声は厳然として存在する。
nekora トヨタ車の実際のフィールド品質は、犬や鯨画面出してもテヘペロのWebページよりも遥かに上なので当然何かそれなりの理由あっての事だろう。PGの技術力は、リアルタイムMC>MC>リアルタイム>>>>その他雑用面白HP等。
この議論をするためには、例えばロケットエンジンとか、ジェットエンジンの制御ソフトと比べるべきだと思うが不幸にして両方とも見たことがないのでその観点は忘れることにする。ただ私は「トヨタ様のなさることだからそれには理由があるはずだ」などと信じられるほど無邪気ではない。
問題は
この「スパゲティ上等。動けばいいんだよ」の組み込みソフトウェア文化が「みんなコード書いてね」のPC文化と交わる点で何がおこるかだ。私の考えではカーナビというのはそうした交点だと思う。
という長い前振りの後でようやく本題。WWDC前日の懇親会で某社の方と話をした。そしてその会社が出したiOS上のカーナビアプリを作っている人間の数を聞いて卒倒しそうになった。
3名。
驚愕する私をみて「いや、地図アプリも出していて、それとかぶってますから」とかなんとかその人は付け加えた。それは確かだろう。しかしかけてもいいのだが、カナービOS(のような掘建小屋じゃなくて横穴式住居)を使ってカーナビを作れば、、、、3人で何ができるんだろうね。仕様を記述したExcelシートの管理だけでそれくらい人間が必要な気がする。
それでも専用ハードウェアの上でカーナビソフトを作り続ける会社は存在し続ける。少なくともあと数年は。しかしなんでこうなったんだろうねえ。