失敗の本質の一部
2015-07-13 07:04
というわけで、なぜ我が国が「隆盛と衰退」を繰り返すのかについてはあれこれ考えることが多い。先日読んだこの言葉で少しそれが整理されたように思えた。
日本軍の失敗の原因を書いた本を読んでるけど、
・日本人は思想がなく現場の職人芸頼みで、個人の技量でどうにかなる範囲を超えると全体が瓦解して負け戦になる
のだけど、ゲーム業界もコンピューター業界も映画業界も全部同じ轍踏んでて学習しねえなあコイツらは……と。
最近映画の分野で起こった「ベイマックスとマッドマックス」の衝撃。家電の信じられないほどの衰退。そして伊藤正徳いうところの「率いるものが誰もいなかった」太平洋戦争。これらに共通するのは「現場にいる優秀で使い捨てられる兵士たち」「時々存在する前線の優秀な指揮官」「和歌を作り勢力争いばかりしている貴族達」の存在。
年収200万以下でアニメを作り続ける人たちの姿は、補給を立たれ「死ね死ね」ばかり言われていた前線の兵士の姿に重なるものがある。そしてなぜか中枢にいるのはこんな人ばかりだ。
田中社長は幹部らに早朝の電話やメールで「何で予算を達成できないんだ」「売上高、利益をもう少し上げろ」などと要求。関係者によると、損失計上の先送りを促すようなメールなども見つかったという。
創業者と娘婿の争い、権力闘争の背景にした不祥事、人事遂行を目的とした誤った経営判断......そんなパナソニックの人事抗争史を見ていると、大企業にとっては利益を追求することよりも、個人の権力を保持することこそが大きな目的になっているのではないかとさえ思えてくる。
あれほど強力に見えた日本の家電メーカーだが「偉い人」がこんなことばかりやっていれば、そりゃ衰退するわな。
次の問いは「なぜこうしたことが繰り返されるのか」ということになる。馬鹿が出世する仕組みなのか、出世するとみんな馬鹿になってしまうのか。
その中で、NECが新たなブランドメッセージとして昨年度より発信させていただいております「Orchestrating a brighter world」にその思いを込めさせていただきました。顧客価値を最大にすべくお客様と一緒になって、未来社会の輝かしい発展のために貢献していきます。これらは、正にNECの「ことづくり」そのものであると考えております。
こういう寝言を大真面目に語れなければ、日本の大企業の「偉い人」にはなれない。しかしより心に響くのは、彼らがコンサルに高い金払って作らせたスローガンよりこちらの言葉だ。
米GEの事業開発者から、「日本企業には、わたしたちから見ても優秀な人が多くいるのに、どうもマネージメント層が潰しているように見えます」と指摘されたことがあります。