Flashの歌
2015-07-15 07:20
前勤めていた企業では、組み込み機器用UI構築の用のミドルウェアを売っていた。でもってよく言われたのが
「で、その製品Flashと比べてどうなの?」
というもの。面白いことにこういう質問をする人は、どちらかといえば「評論家」タイプの人が多かった。実際に使えるものを探している人はそんなことを聞きもしなかった。組み込みでFlashのかっこいいUIを実装したものがいつでるだろう、と思っていたのだが結局最後までそんなものにはお目にかかれなかった。
それでもFlashはあちこちに存在し続けた。とにかく普及率はすごかった。
Adobeの人が「普及率舐めんな」と声高らかに言ったのは確かに正しかった。普及率が高いゆえに害悪を広範囲に撒き散らしそう簡単に根絶することもできない。
最近はAdobe自身がFlashを嫌っているのは公然の秘密だ。Flashはウェブの黎明時代にはそれなりの役割を果たしたが、HTML5その他のウェブ標準が整備されるにつれて、デベロッパーは非効率でセキュリティー上の問題を抱えるFlashプラグインに次第に頼らなくなっている。GoogleのYouTubeはすでにFlashではなくHTML5を標準として採用しているし、Chromeはウェブページ中で重要性の低いFlashコンテンツの自動再生をブロックするようになった。
Facebookの最高セキュリティー責任者のAlex Stamosが数日前に言ったように、ウェブはFlashがないほうがなにかと面倒がなくてすむ。AdobeはそろそろFlashを終了させる時期を決めた方がいいだろう。引用元:致命的脆弱性の発見でFirefoxがFlashを一時的にブロック中―Adobeのパッチをインストールすれば復活 | TechCrunch Japan
私も最初iPhoneがFlashをサポートしないと聞いたとき少し戸惑った一人だった。しかし今となっては確かにその判断は正しかったとわかる。
また現実に起こったことと、上のプレゼンテーションで述べられていた「未来予測」の乖離をよく考えるとその難しさがよくわかる。2008年ごろ富士通の人が強調していた
「スマホスマホっていうけど、全然普及してない!」
も同様。つまり「現状こうなってます」は未来の予測を大きく誤らせる可能性た高い。未来はちょっとしたことで大幅に変わりうるのだ。