一流企業で大出世して
2015-07-22 06:59
東芝といえば世界的に見ても一流企業と思う。全ての組織にいえることだが、その組織で上に立つためには組織の文化を受け入れることが必要だ。
「狂った組織ではもっとも狂った者が頂点に立つ」
というのは私が作った言葉だが、あまり外れていないと思う。
「第三者委員会の報告書には『利益水増しに経営陣の関与があった』と書いてあります。田中社長ご自身には部下に『数字をごまかせ』と命じた自覚はおありですか」
静まり返る会場。数秒の沈黙。田中社長はこちらをぐっとにらみつけ、絞り出すような声で言った。
「ございません」
こういうことを堂々と公言できるのが「一流企業で出世する」ための最低条件だ。こういう「いつかは崩壊する組織」というのは椅子取りゲームのようなもので、同じようなことをさんざんやりながら、「幸いにも」社長にならなかったがためどこかで素知らぬ顔をしている人間はあと何人いるのだろう。
引用元:東芝の「チャレンジ」を一目で察することができる、あるグラフ
赤い線はPC事業の利益である。必ず期初に大赤字になり、期末にぐっと取り戻す。こんな動きは誰が見てもおかしいのだがそれを「おかしい」という人間はとっくに子会社に飛ばされていることだろう。そんなことをいう人間は東芝は必要としていない。
今回の犯罪で一番理解に苦しむのが以下の点だ。
会社が潰れるようなプレッシャーある訳もなく、赤字部門を撤退やらリストラ断行するほどの実行力もない企業で数字取り繕うリスク取る意味がわからん。
なんでこんな「刑務所に行き」になるような犯罪を行ったのか。その動機がわからない。株価維持位のため実は赤字だが粉飾して黒字に見せかける必要があった、とかならわかるし、ライブドアのように経営陣が底抜けの馬鹿だったというのもわかるが、この「一流企業のエリート社員」たちは何がしたかったのだろうか。
ある時アメリカ人のマネージャーが言っていたのだが、会社が他の会社とどう考えても「価格カルテル」を協議したことがあり、「ちょっと待て、これは刑務所行きじゃないか」と言っていた。日本にもその感覚がねづくべきだと思う。東芝の人たちには気の毒だが数人は刑務所に行ってもらった方が後の日本のためではなかろうか。いくら「会社村の倫理」に沿っていようと、法律に触れたら刑務所行きだよ、ということをわからせるために。
世界的企業東芝の頂点に登りつめた人たちの姿を見ると「哀れさ」しか感じない。他人の生き方について何か行っている暇があれば、自分の人生の改善に勤しんだ方がいいんじゃないか、とわかってはいるのだが。