Black企業で働かないために

2015-08-19 06:55

Amazonの「内情を暴露した」記事がNew york timesに載ったのだそうな。Amazonは倉庫での労働環境が劣悪なことでも知られているから、「いや、倉庫だけじゃなくてホワイトカラーも大変だよ」という記事が出ると誰もが「そうなのか」と思う。

倉庫での従業員の扱いに関しては何もコメントしかなかったベゾスだが、この件に関しては明確に反応した。私が面白いと思うのは以下の部分。

一般的に考えて、この記事に書かれたような企業はテック業界の人材獲得競争で生き残れず、繁栄できないと信じる。我々がここに雇った人々は最も最良の人々だ。あなた方は毎日、他の世界クラスの企業からの引き抜きを受け、世界中のどこでも働くことができるだろう。

私にはNYTの記事で書かれたような企業で働く人々は狂っているとしか思えない。私なら、そのような企業からは立ち去るだろう。

引用元:全文掲載 「アマゾンはブラック企業」批判へのジェフ・ベゾスの反論  | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

この部分は非常に興味深い。「テック業界」において優秀なエンジニア、デザイナー、プランナーは企業に対して優位にある。したがってそこがひどい環境ならさっさと別の企業に移ってしまう。残されるのはそのひどい環境に順応した人間と、他の企業で職を得ることができない人間だけだ。

端的に言えば「有能な人間が自由と富を得る」という実にわかりやすい図式。自分で書いておいてなんだが、このフレーズのインパクトには畏怖せざるをえない。

旅客機のビジネスクラス並の広さの空間で毎日勤務する人間はそんなことを考える。年と取るとわかるのだが、会社というのは神様のような存在だ。聞きたいことについては答えない。こちらの願いは馬耳東風。そして時々理不尽な天罰を下す。であれば気の合う神様を探すか、それができなければ頭を垂れて日々を過ごすしかない。