「額に社名を刻むこと」
2015-09-08 07:34
多分洋の東西を問わないと思うのだが、「一流企業」に勤めている人は額に社名を刻んでいる人が多い。そういう人は、会社が危機に陥っても心安らかに暮らすことができる。
ブロック玩具で世界最大規模の企業であるレゴ社は2004年に競争の激化により、310億円という大きな赤字に陥りました。当時CEO(最高経営責任者)に就任したのはクヌッドストープ氏でした。そのときに彼と一緒に再建を任された前CFO(最高財務責任者)が言った言葉は次のようなものでした。
「こんなにひどい業績を見たのは生まれて初めてだ。何もかもひどい。まったく儲けが出ていない。売り上げの予測すら立てられない。なのに、誰もが満ち足りた顔をしている。これこそ不思議だ」(「日経ビジネス」<日経BP社/2月16日号より>)引用元:ソニー、アバクロ…強いブランドが企業を滅ぼす?過剰な慢心=「全能感」病の罠 (Business Journal) - Yahoo!ニュース BUSINESS
こういうのは、会社が不調なときにようやく語られ始める。しかし会社が好調なときにも額に社名が刻まれていることにはかわりない。こういう態度は基本的に「変身ベルト」を買ってもらい仮面ライダーになったつもりの幼児と変わるところはない。
当時雪印乳業に勤務してこの事件を経験した人物に、鳥越淳司氏という人物がいます。鳥越氏はこの事件のさなか、雪印乳業の営業社員として関西エリアの被害者を回って見舞う仕事をしています。鳥越氏は雪印をのちに辞めて、群馬県にある相模屋食料という企業の社長になり、豆腐製造業として同社を日本一の会社に導きました。
鳥越氏は雪印時代の経験を振り返り、自著の中で次のような教訓を得たと語っています。「自分が誇っていいのは、自分がやってきたこと、自分にできること」だけだと。引用元:ソニー、アバクロ…強いブランドが企業を滅ぼす?過剰な慢心=「全能感」病の罠 (Business Journal) - Yahoo!ニュース BUSINESS
なかにはこういう立派な人もいるが、その数は少ない。人間は私も含めてバカなものだ。こういう言葉を心から発することができれば、一流企業の幹部としてまず合格だ。
ソニーがこれから挑戦していくなかで、変わらないものがあるとすれば、全世界のお客様に対してさまざまなイノベーションを盛り込んだコンシューマーエレクトロニクス製品を出し続けること。これはソニーのDNAであり、使命である。期待に応えられるような製品を出したい。
ハイレゾ対応ヘッドホンの「h.ear」は、いい音を楽しんでもらうという狙いとともに、ファッショナブルに自己表現をしたいお客様のニーズにマッチする感性価値を高めた製品である。引用元:イノベーションがある製品を出し続けるのがソニーのDNA--平井社長語る (CNET Japan) - Yahoo!ニュース BUSINESS
額に「東芝」マークを焼印した社員ばかりになっている東芝はこれからどこにいくんだろうね。わが国で一旦そういう「文化」ができあがってしまうと「一旦焦土化」しないと再生できないのだけど。